<ロッテ2-1西武>◇27日◇QVCマリン

 右肩の張りで離脱していたロッテ唐川侑己投手(22)が力強く帰ってきた。27日の西武戦で24日ぶりに1軍先発登板。8回まで3安打無失点とほぼ完璧な投球。9回にソロ本塁打を許して今季初完封は逃したが、5安打1失点で完投してリーグトップに並ぶ7勝目を挙げた。敗れれば今季ワーストの4連敗となるところを食い止めて、首位を走るチームにリーグ再開後の初勝利をもたらした。

 ただ帰ってくるだけでは意味がない。白星を携えることが唐川の流儀だった。今季初完封も意識した9回。先頭の星秀の初球、甘く入ったスライダーでプロ入り1号を浴びた。だが衝撃はない。「しょうがない。ホームラン打者じゃないし、ああいう球でカウントを取らないと」。すぐに思考を切り替えた。完封から完投へ。勝利という最終目標は変わらない。最後、中島を打ち取り、チームに5戦ぶり、そしてリーグ再開後の初勝利をもたらした。

 お立ち台での第一声は「また休んじゃいました。すみません」。3日の中日戦で6勝目を挙げたのを最後に右肩の張りを訴え、登録を抹消。プロ5年目で1度も年間を通してローテを死守していない。今回は先発機会からすれば2回と軽微。だがチームも失速し、交流戦優勝を逃し「ローテに穴を空けたのは反省。責任はある」と痛切に感じた。

 空白の間。右肩に違和感を覚え、かばううちに崩れたフォームを修正した。「踏み出した左足に一直線に体重が乗れずに三塁方向へ流れていた。正しいラインに体を乗せることを意識した」。離脱前と同じ130キロ台中盤の直球でも、しっかりと球に力が伝わっていれば質は明らかに異なる。

 2人の「アニキ」にも再生した姿を見せたかった。34歳の先発左腕、吉見は「1球1球取り組む姿勢がすごい」という存在。キャンプ中は動画サイトで「速球集」をチェックし、野茂の剛球について語り合った。36歳の主砲、サブローとは今季から毎試合ごとに反省会を行う。「ほめられたことはほとんどない。どういう意図を持って投げたかと説明する」。教育を受けながら“弟”は成長を重ねていった。

 昨季は2度の故障明けの復帰戦で敗れた。今回は違いを見せたが「今日は野手がよく守ってくれた。それに尽きます」と4回の鈴木、岡田の好守に感謝した。まだ空白の間の恩返しは足りていないと自覚している。若き右腕が首位ロッテをさらなる高みに引き上げる。【広重竜太郎】