<中日9-4阪神>◇27日◇ナゴヤドーム

 阪神が負けられない一戦をミス連発で落とした。1回無死一、二塁から和田の二ゴロを平野恵一内野手(33)が処理。併殺打を狙って二塁へ送球したが、タイミングが合わなかったのか、ボールは鳥谷のグラブをかすめることなく、左翼ファウルゾーンへ転々…。その間に2者が生還し、先制点を献上。記録は平野の失策だった。

 平野

 ちゃんと投げたつもり。ベストなプレーをしたつもり。生活がかかってるんだから、(公式記録員は)ちゃんと見てほしい。自分が投げた時点で暴投だとは思っていない。もし、ボールが変化したりしてたら、こっちのミスかもしれないけど。

 昨季のゴールデングラブ二遊間の呼吸が合わず、まさかの守乱から1回に4失点。鳥谷は「自分の準備不足です」と反省の言葉に悔しさをにじませた。和田監督は「今日の4点は何とかなる4点だった。先に点を取られて苦しくなった。この球場にくるとバタバタしてしまう」と嘆いた。4点差に迫った4回にも、1死から新井がゴロをグラブの土手に当てて失策。先発岩田も踏ん張れず、さらにリードを広げられた。

 虎ナインが気持ちをひとつにして臨んだ一戦だった。この日は昨年6月27日に急逝した渡辺長助チーフスコアラー(享年54)の命日。勝ちたい気持ちが強すぎたのか。平野は試合後、「そういう気持ちは強かったです」と神妙な表情で話したが、弔い星を贈ることはできなかった。

 和田監督は「上位相手にこれだけミスが出たら苦しいな。きっちりした野球を明日からやってきたい」と気持ちを切り替えた。ナゴヤドームでは4敗1分けと今季も鬼門のムードが漂う。首位中日とのゲーム差は今季最大の8まで開いた。守り勝つ野球で、同一カード3連敗だけは阻止したい。【岡本亜貴子】