<中日9-4阪神>◇27日◇ナゴヤドーム
アニキに3年ぶりのオールスター切符が届く!?
球宴でセ・リーグを指揮する中日高木守道監督(70)が27日、阪神金本知憲外野手(44)を監督推薦枠で“フライング発表”した。「頑張っとる」と敵将もうなる今季の復活ぶりを象徴するように、4回に通算2500安打に王手をかける適時打。通算四球も歴代単独3位に浮上した。歴史を刻む男のバットで惨敗ショックを振り払ってくれ!
偉大な記録へ王手をかけた。0-6と大量リードされた4回、虎党がようやく沸く場面が訪れた。無死二、三塁。金本は中日先発雄太のカーブをとらえた。下半身がどっしりと根を生やしたようにピタリと止まり、バットのヘッドが加速した。打球は一塁手の頭上を越えて右翼線へ。1点を返す、このタイムリーが通算2499安打目。大記録へのリーチだった。
「個人のこと(記録)で何位というより、チームで一番になれるように」
記録へ到達するたびに、放つ言葉は金本の姿勢を表している。この日は序盤からエラーが絡んでの大量失点で一方的な展開となった。だが、いつ、いかなる時でも己の仕事に没頭できる金本の立ち居振る舞いはまったくぶれなかった。6回の第3打席では。“左殺し”の小林正に対し、0-2から冷静に四球を選んだ。
この日、後ろにいたのは飯塚球審だった。5月28日西武戦(甲子園)でストライク判定を確認したところ、同球審からの言葉に珍しく激高した。そんな“因縁”の相手だったが、確固たる己のストライクゾーンは不変だった。これが通算1347個目の四球。並んでいた清原和博を抜いて、歴代単独3位となった。上には王貞治、落合博満だけ。常にチームの主砲として、相手から恐れられ続けている証しだった。
そんな充実した金本の姿は敵将の心まで揺さぶった。試合前、球宴で全セの監督を務める中日高木監督が金本の09年以来、3年ぶりとなる選出を示唆した。
「頑張っている金本も呼ばなあかんな。山本昌が出るんだったら、金本も出さんとな」
右肩棘(きょく)上筋断裂という絶望のふちから力強くはい上がってきた姿は、復興を目指す東北での球宴にこそ、ふさわしいかもしれない。
きょう第3戦、史上7人目の大記録がかかる。チームの鬼門突破へとつながるその一打を、チームも、虎党も待ち望んでいる。【鈴木忠平】
◆金本の球宴
広島時代の95年に初出場。地元広島での2戦目にロッテ伊良部からソロ弾を放ち優秀選手賞。阪神移籍後は03年の2戦目(千葉)で2打席連続本塁打を放ち、96年以来2度目のMVP。09年までに通算11度出場、25試合で打率2割4分6厘、10打点、5本塁打。



