<中日4-1阪神>◇28日◇ナゴヤドーム

 阪神金本知憲外野手(44)が通算2500安打を達成した。1-1の7回2死一塁、中日岩田の低めのスライダーをバットに乗せて右翼線に運んだ。到達した二塁上で花束を受け取ると、球場全体から拍手を浴びた。

 「長くやっていたら、いつかは到達する数字。2500という数字より、その中で何本、勝利に貢献できたかの方が大事です」。その言葉からは勝利への強烈なこだわりがにじんだ。主砲としてチームの勝敗を背負った1打席、1打席を積み重ね、プロ野球史で7人しか到達していない領域までやって来た。

 試合後、鉄人は、少しだけこれまでの道程を振り返り、支えてくれた人たちへの感謝を忘れなかった。「通算で10人を切っている数字なので。打撃を教えてくれたファーム時代からのコーチ、使ってくれた歴代の監督、体を見てくれている先生やトレーナーにこの場を借りて感謝したいです。いろいろなコーチがいろいろなことを教えてくれたことが僕の財産です」。

 9回には相手の守護神岩瀬から2501本目をセンター前へ放った。節目の余韻に浸るのは一瞬だけ。また歩き始めた。金本の不屈の戦いは、まだまだ続く。【鈴木忠平】

 ▼金本が28日の中日9回戦(ナゴヤドーム)の7回、岩田から右翼線二塁打を放ってプロ野球7人目の通算2500安打を達成した。初安打は広島時代の93年8月8日ヤクルト16回戦(広島)で山田から。大学出身の選手では初めてで、44歳2カ月での到達は門田(ダイエー)の43歳5カ月を抜く最年長記録。出場2517試合は王(巨人)より1試合早い5番目のペースとなった。金本は40歳を迎えた08年4月3日以降の安打数が505本。40代で打った安打数が多い選手は(1)門田525本(2)金本505本(3)落合504本。落合を抜いて史上2位と、40代で500本以上打って大卒初の2500安打を記録した。