<ロッテ12-4西武>◇28日◇QBCマリン
ロッテ角中勝也外野手(25)が、今季チーム初の2ケタ得点による大勝に貢献した。西武先発左腕の石井、救援右腕の山本、大石から2安打1犠飛2打点。打率を3割3分とし、リーグ首位打者の日本ハム田中を5厘差でピタリとマークだ。今季、大ブレーク中の左打者が急成長した理由の1つは、左投手を苦にしなくなったことにある。「ピンポイント」で、その秘密の一端に迫る。
角中は左足にわずかに体重を移動させた。左対左。石井のボールの軌道をギリギリまで見極めるため、軸足を左足に変えて打席に立った。初回の1打席目。1ボールからのスライダーをファウルにして感覚をつかむと、3球目の外角低め134キロ直球をコンパクトにとらえ、ライナーで左中間へ運んだ。
昨年まで主にファーム暮らしだったが、今季成長した要因の1つに左投手を苦にしなくなったことが挙げられる。角中も「左右どちらの投手が来てもコンスタントに打てるようになったことが大きい」と言う。打席では、右投手なら右足、左投手なら左足に軸足を変えて構えている。「左投手の方が打席で球が速く見えてしまう。だから手元まで待ってボールを見たいので左足を軸にしている」と説明した。
昨年の対左投手の打率は36打数6安打、打率1割6分7厘だったが、今年は現時点で60打数18安打、打率3割と如実に成果が表れている。左投手のボールに差し込まれないように試行錯誤する中で、昨年自分なりの攻略法を編み出し、今年実を結んだ。「安打製造機」の異名を持つ福浦でさえ「投手によって軸足を変えるのは難しいよね。角中しかできないことだと思う」と話した。
長嶋打撃コーチは「2プラトン制が主流になってから、左対左で打席に立つ機会が少なくなっている。そんな中で、右投手を打つように左投手は打てないという話はしている。イメージを変えるように」とアドバイスしてきた。軸足を変えるという独特のフォームについては「角中の感覚の中でやっていることだと思う。穴のない打者になった」と評価した。
6回には、右腕山本の140キロ内角直球をうまく腕をたたんで右前へ運び、貴重な追加点をたたき出した。2安打2打点で打率は3割3分まで引き上げた。首位田中を5厘差でピタリと追走する。【鳥谷越直子】



