<ヤクルト7-6阪神>◇29日◇神宮

 新井ブラザーズの気迫が虎の活力源だ。5点差逆転負けはショックでしかない。だが、落ち込んでいる暇はない。3安打2打点の新井貴浩内野手(35)は4番復帰後、打率4割超。弟新井良太内野手(28)も負けじと、休養でスタメンを外れた金本の代役起用に応える3号ソロ。今季3度目の兄弟そろい踏み打点を挙げた。連敗脱出へ、へこまず前へ突き進むしかない!

 体をクルリと回転させ、内角低め134キロ直球を完璧にとらえる。弾丸ライナーは驚くほどのスピードで加速し、あっという間に左翼席に直撃した。良太は一塁ベースを回った直後、思わず右手人さし指を夜空に突き上げる。虎の元気印が疲労困憊(こんぱい)のチームに栄養剤を投入した。

 新井良

 まぐれです。使ってもらっているんで結果を出したかった。しっかり準備しました。

 中日に敵地で3タテを食らい、午前中に名古屋から東京移動。疲労も重なり、どこか重苦しいムードを吹き飛ばしたのは新井兄弟だった。まずは2回。2点を先制して、なおも2死満塁。4番の兄貴浩が初球、赤川の真ん中直球を強振した。強烈なゴロで三遊間を抜き、2点追加に成功した。

 続いて弟良太だ。交流戦から好調をキープも、マートン復調により交流戦明け初スタメン。金本の休養で巡ってきた7試合ぶりの先発に燃えないわけがない。4点リードの3回、先頭でフルカウントから3号ソロ。6月17日ロッテ戦以来の1発で今季3度目の兄弟打点そろい踏みだ。弟が1発を放った試合は必ず兄も打点を記録している。「毎試合ベストを尽くした結果、そうなっているだけ」。兄は冷静に振り返ったが、強力コンビに違いはない。

 良太は2点差に迫られた5回、先頭で四球をゲット。1死一塁から8番藤井彰の右前ライナーを右翼バレンティンがはじく間に(記録は二塁打)間一髪でホームイン。一方、兄貴浩は3戦連続安打&2試合ぶりの猛打賞で好調をキープした。

 しかし…。同点で迎えた8回1死一、二塁、兄が放った右中間へのライナーは中堅ミレッジのダイビングキャッチに阻まれる。一方の弟は7回以降の2打席どちらも先頭で空振り三振。最後はまさかの大逆転負けで幕を閉じ、試合後は悔しさだけがにじんだ。

 新井

 あれはミレッジを褒めるしかない。いい感じでスイングできている。継続していきたい。

 新井良

 最後の2打席も何とか塁に出たかった。しっかり塁に出ないと…。

 全力プレーは勝利を目指してのモノ。満足できるはずもない。4連敗で今季最多の借金4。3位ヤクルトとは3・5ゲーム差に広がった。これ以上、離されるわけにはいかない。新井兄弟の力に、今後も期待が集まる。【佐井陽介】