<西武10-5日本ハム>◇6月30日◇西武ドーム

 整備されてきれいになったマウンドと同時に、日本ハム吉川光夫投手(24)の5回までの好投も無になった。3安打無失点、5点リードで迎えた6回。西武先頭の栗山に四球を与えると、中軸の中島から一気の4連打。降板を告げられて腰を降ろしたベンチから、ヘルマンのグランドスラムを見つめた。「しっかり投げきらないといけなかった。申し訳ないゲームにしてしまった」。手中にしかけたハーラートップの8勝目は、悲劇の3敗目に星の色が変わった。

 投手2部門でリーグトップを争う吉川だが、乗り越えなければいけない壁が、試合中盤にある。今季の20失点中15点が5~7回に集中。なかでも6回は10失点と飛び抜けている。前日まで7勝、防御率1・49の数字ながら、完投は0。中盤のヤマを越えられずに、毎試合ブルペンに試合を託している。

 球速は変わらないが、キレと制球に微妙な変化が現れる。吉川は「ファウルを取れていたボールが取れなくなった」と振り返る。最大の武器は、150キロ近いストレート。だが6回に浴びた4連打のうち、3本がストレートを狙われたもの。試合序盤はカウントを稼げていた直球が、打順が3回りするころにはフェアゾーンに打ち返される。コンビを組む鶴岡も「配球を考えないといけない」。凡打の山を築いた序盤の組み立てが、突如まったく使えなくなる。

 結果的に勝ちゲームを落とした栗山監督は「結果論だから、6回(の頭)から代えなきゃいけなかった…となる。オレがヘボい」と、選手を責めることはなかった。だが、大事だと位置づけていた交流戦明けのリスタートで、3カード連続の負け越しが決定。「必ずこういうときはある。どれだけ財産にしてやっていけるか」。吉川同様に、チームにとっても乗り越えなければいけないヤマがきた。【本間翼】