<楽天3-2ソフトバンク>◇1日◇Kスタ宮城

 楽天にフレッシュコンビが誕生した。ドラフト2位釜田佳直投手(18=金沢)が先発し、スタメンマスクは同4位岡島豪郎捕手(22=白鴎大)が務めた。球団では、07年の田中-嶋以来となる新人バッテリーが実現。釜田は7回途中1失点で勝利投手の権利を持って降板したが、中継ぎが追いつかれて4勝目は逃した。コンビで白星とはいかなかったが、チームはサヨナラ勝ちで、ソフトバンクに同一カード3連勝だ。

 岡島を始め、マウンドに野手が集まった。2-1と1点リードの7回1死二塁。左打ちのソフトバンク明石を迎えたところで、釜田は降板を告げられた。ギュッと結んだ口元に、悔しさをにじませた。「7回は投げきらないとダメですね。そこが課題です」と反省しきり。既に完投勝利は経験済みで「次は完封です」と志を抱く新人右腕にとって回の途中、しかも走者を残しての降板は無念だった。

 中継ぎが同点とされ、4勝目を逃した。それでも、岡島との初バッテリーの息は合っていた。試合前、岡島は「釜田は、やはり直球に力がある。直球でカウントを稼ぎたい」と青写真を描いていた。最後の打ち合わせ。岡島が話す前に、釜田の方から「ストレートでいきたい」と提案した。岡島も試合開始直後「今日は直球が良い」と確信。6回1死一、三塁、小久保、長谷川と連続して直球で外野フライに打ち取った。力で押し込み、外野の頭を越させなかった。

 球団では07年田中-嶋以来の新人バッテリー。7回途中1失点と、先発としての役割は果たした。釜田が「どんどん直球で押す中で、ところどころ変化球を使えた」とリードに感謝すれば、岡島は「僕の方が緊張しました。あいつ(釜田)は首を振って投げてましたね」と年下の度胸に驚いた。抱く思いは一緒だ。昨秋の新入団会見。2人とも同じ言葉を口にした。プロでの夢を聞かれ、堂々と答えた。

 釜田

 チームは日本一。それに貢献したい。

 岡島

 男として生まれた以上、てっぺんを取りたい。日本一です。

 星野監督は「ルーキーと言えどプロ。どういう配球、どういう投球をするか楽しみにしていた」と言った。究極の目標「日本一」へ、可能性を秘めたコンビが生まれた。【古川真弥】