突貫工事でコイ斬りだ!

 阪神の先発投手陣が2日、愛媛・松山市内の坊っちゃんスタジアムで練習を行った。今日3日広島戦に先発するジェイソン・スタンリッジ投手(33)と藪投手コーチらがマウンドを入念にチェック。藪コーチから要望を受けた球場は、突貫工事に着手し、マウンドの硬さを調整。「虎好み」に整ったマウンドで、地方球場キング&7月無敗のスタンリッジがコイ斬りの先陣を切る。

 投手練習の終盤、スタンリッジと藪コーチがマウンドを入念にチェックした。マウンドの改修を要望した同コーチは「ピッチャーそれぞれの好みがあるから、それを伝えただけ」とけむに巻いたが、早速、突貫工事が施された。

 球場関係者は「掘れないように、できるだけ硬く改善してほしいということだったので、硬化剤で硬くした」と説明。岩田が投球練習を終えたマウンド。指定された部分の土を、軽トラックを前後させて圧力をかけ、最後はハンマーでたたいて固められた。

 坊っちゃんスタジアムは秋季キャンプでヤクルトが使用しており、マウンドの傾斜や硬さを神宮に合わせているという。球場関係者によると、黒土の下に神宮と同じ、クレイベースと呼ばれるブロックが埋め込んであり、スパイクの爪が食い込みやすいという。「神宮式」から「虎好み」へ。より硬さを増したマウンドに改修され、コイ斬りの準備は整った。

 今日3日に先発するスタンリッジは、地方キングだ。地方球場では5試合で4勝0敗、防御率2・31。今季も5月9日広島戦(ハードオフ新潟)で白星を挙げた。「しっかりトップの位置を大事にして、低いところに投げられるように考えてやるだけだよ」と自分の投球に徹する構えだ。

 藤川、福原不在の中継ぎ陣に疲れが見え始め、リーグ戦再開後、波に乗り切れない。先発投手が長い回を投げることが重要になってくる。スタンリッジは「長いイニングを、先発が投げられていない苦しい状況もあるし、できるだけ長くゲームにいられるように。いいリリーバーがたくさんいるから、負担を軽減できるようにしたいね」と意気込んだ。突貫工事が施されたマウンドで、虎投が息を吹き返す。【岡本亜貴子】