阪神坂井信也オーナー(64=電鉄本社会長)が30日、あらためて和田豊監督(49)で今季を戦い抜く方針を強調した。前日こそ大勝したものの5年ぶり7連敗を喫し、最下位DeNAとの本拠地3連戦も負け越し。首位と18・5ゲーム差、最下位と5ゲーム差の5位に甘んじている。窮状から電鉄本社で取材に応じた同オーナーに対し、残りのシーズンを含め和田監督に任せるつもりかという質問が飛んだ。虎の総帥は一蹴した。

 「愚問やな」

 球宴休み中の24日には大阪市内で和田監督と会食した。今後の再建策を話し合うとともにタイミングを見ての「若手起用」という要望も出した。和田監督もドラフト1位伊藤隼をスタメン起用するなど、今後につながる若い戦力をグラウンドに送り出している。

 前半戦終了後に同オーナーは「和田監督の下で原点に返って戦いを進めてもらいたい」と信頼を示していた。オフに3年契約を結んで1年目。あらためて和田監督の手でチーム再建を果たすスタンスを示した。

 90年代の暗黒時代をほうふつとさせる負けっぷりが続いていた和田阪神だが、前日は4本塁打で大勝した。「今年初めてみたいな感じで、明日からもこの調子で。残り少なくなってくるから」。坂井オーナーは辛抱強く猛虎の浮上を待っている。