<広島7-0阪神>◇5日◇マツダスタジアム
これぞ怪腕!?
支配下登録された虎の新戦力左腕、ロバート・ザラテ(25)が広島戦で豪快すぎるデビューだ。7回、サングラス姿でマウンドに登場。四球、安打、失策、ボークと自滅してホロ苦の3失点も、全22球のうち17球で150キロ以上を計時する力強さは魅力たっぷりだった。4連敗、今季最大借金15の虎に希望をもたらせてくれ!
マウンドで後ろを向いて目をつぶり、胸元で白球をギュッと握りしめた。天を指さして第1球を投じた。152キロにスタンドがざわめく。育成選手から駆け上がった助っ人左腕が、ついにベールを脱いだ。
ザラテ
全然緊張しなかった。いい経験にしようと、そういう気持ちが強かった。
先頭倉に四球を与え、岩本に中前打を許す。初陣は波乱にまみれた。赤松がバントした打球が高く弾む。懸命にダッシュしたが捕球できず、犠打エラーで無死満塁。菊池に内角152キロ直球をたたかれ、右前2点適時打でプロ初失点を喫した。さらに右犠飛で3点目。東出の打席ではボークまで記録した。それでも、最後は堂林を内角153キロ直球でズバッと見逃し三振だ。
ザラテ
コントロールが低すぎたり、高すぎたり、精度を上げていかないといけない。
1回2安打3失点(自責2)。ハチャメチャな怪デビュー。それでも、直球は最速を1キロ更新する154キロをマークした。山口投手コーチは「楽しみちゃうか。(直球は)一級品やな。使いながら、自信をつけて経験してほしい」と今後に期待を膨らませた。
来日3年目。故郷ベネズエラの家族とのホットラインが、心の隙間を埋める。兄弟とはメールやチャットで連絡を取り合う。週3~4回、電話で近況報告する母ヤハイダ・ラデラさん(48)の言葉を胸に刻む。「『日本で野球をすることも、結婚して子どもが生まれることも、何事も経験になって自分に生きるから、自分の将来を考えなさい』って母に言われるんだ」。家族の支えが異国で奮闘する原動力だ。
前日4日はメッセンジャーらと鉄板焼きを胃袋に詰め込んだ。英語とザラテの母国語スペイン語を交え、ロンドン五輪やベネズエラの話で盛り上がった。2桁背番号を勝ち取り、低迷チームに新風を吹き込むべく念願の1軍マウンドに立った。ここから新たなステージが幕開けする。「真っすぐが甘いところだと、やられるなという印象。ゾーンを攻めるだけじゃなくて、考えてやらないといけない」。明日7日からの巨人3連戦(東京ドーム)でも、豪快に腕をしならせる。【岡本亜貴子】



