<ソフトバンク3-3楽天>◇12日◇福岡ヤフードーム
楽天田中将大投手(23)はベンチ前でキャッチボールを始めた。2点を追う9回。既に124球を投げていたが「逆転したら続投」と佐藤投手コーチに伝えられた。1点返し、なお2死一、三塁。聖沢がソフトバンク森福から同点打を放つ。それを見て、やっと笑った。同点止まりで9回は青山に譲ったが「負けと引き分けでは全然違う」と野手に感謝した。
毎回の被安打12。「僕が抑えていれば違う展開になった」と責任をかぶったが、8回3失点で踏みとどまり土壇場の同点につなげた。本調子でなくても粘る姿は、球界の後輩へのメッセージになったかもしれない。
相手先発は武田。かつての自分と同じ高卒ルーキーに「大胆に投げていましたね。良い投手だと思う」と目を細めた。武田が初登板初勝利した7月7日。「初めてで6回無失点はすごい。僕なんて思うような投球ができなかった」と、2回途中6失点だった5年前を思い出した。ただ、続けた。「でも、まだ1回だけ。これから良い方向に行くかが大事です」。悔し涙のデビュー戦も、1年目で11勝。ステップアップを重ねてきた田中だから言えた。
1カ月以上、勝ちがないが「1週間、しっかり考えて調整したい」と前を向いた。苦しくても、やることは同じ。手本となる言葉で締めた。【古川真弥】




