日本ハム田中賢介内野手(31)が、海外フリーエージェント(FA)権を行使して、メジャー挑戦する意思を固めていることが20日、分かった。田中は10年オフに3年契約を結んでいるが、本人が海外移籍を希望すれば、破棄してFA権を行使することが可能な条項が含まれている。昨オフにメジャー移籍したダルビッシュに続き、日本ハムからは今オフも主力選手が抜ける可能性が出てきた。

 昨オフのダルビッシュに続き、日本ハムは今オフも主力の流出が止まらない。昨年海外移籍が可能なFA権を取得している田中が、海を渡る決意を固めた。本人は「シーズン中にお答えすることはありません」と話したが、親しい関係者によれば、メジャー挑戦の意思を固め、シーズン終了後に、権利行使の意向を球団側に伝える考えだという。

 日本ハム一筋の田中は、日本一となった06年にレギュラーに定着。10年にはリーグ2位の打率3割3分5厘をマークした。昨季は左かかとの骨折でシーズンの半分を棒に振ったが、復活した今季はここまで打率3割4厘(リーグ4位)と、首位争いをするチームをけん引している。

 日本ハムとは10年オフに3年契約を結んでおり、今季はその2年目。契約は来季まで残っているが、本人がメジャー移籍を希望した場合、契約解除できる条項が含まれている。メジャー志向を持っていた本人の希望で結んだ契約とみられ、これまでの功労度などから、球団も本人の意向を尊重するものと思われる。

 昨季も故障さえなければ、権利を行使していた可能性が高いが、わずか49試合の出場にとどまったため断念したものとみられる。だがオフに地元テレビ局アナウンサーだった千芳さんと結婚すると、関係者によれば、千芳夫人は今年に入って英会話教室に通い始めているという。また今季の開幕前にモデルチェンジしたグラブは、昨年までのものより若干大きくなっている。日本よりもボールがすべるとされるメジャーでは、内野手が大きめのグラブを使用することが通例で、田中もその準備を着々と進めているものとみられる。

 日本人内野手では近年、西岡、川崎が海を渡ったが、レギュラーを勝ち取るには至っておらず、外野手では青木も苦戦を強いられている。だが二塁手としてメジャー挑戦するのは、ホワイトソックスでワールドチャンピオンとなった井口以来2人目で、移籍市場でもニーズはありそう。二塁手が駒不足とされるタイガース、ロッキーズ、主力が高齢化しているドジャースなどが、獲得に興味を示しそうだ。