<阪神0-1中日>◇21日◇京セラドーム大阪

 守道竜が43歳山崎武司内野手の激打&激走で、巨人のマジック点灯を阻止した。0-0で進んだ9回だ。「強いスイング、強いスイング」。呪文のように唱えた先頭山崎が、守護神藤川の150キロ真っすぐをとらえて左中間へヒット。「俺の足が遅い分、センターがそんなに速い動きじゃなかった。なら俺の足でもいけると」。一瞬のスキを逃さずギアを上げ、猛烈なスライディングで間一髪、二塁を陥れた。

 その後1死三塁となり、平田が決勝の内野安打。4年連続阪神戦の勝ち越しに王手をかけた高木監督も、「山崎がよう打ってよう走った」と大絶賛だ。

 不調で8日に2軍落ち。年齢を考えれば気力も落ちるところだ。だが深夜に呼ばれたナゴヤドームの監督室で「気持ちの乗ったスイングができるようにしてこい!」と直々にゲキを飛ばされ、心は新たになったという。「山崎の長打は必要だ」。降格中の新聞記事でも、自分の力を必要としている監督の言葉が染みた。43歳が奮い立った。

 炎天下のナゴヤ球場で若手と同じメニューこなし、徹底的に下半身を鍛え直した。「26年間、足が元気なら打撃がよくなると教わってきたから」。10日間の抹消で復帰して3試合目で完全復活を証明。4回も二塁打で出塁すると、平田の中飛で三塁を陥れる好走塁。マルチ長打は10年ぶりの古巣復帰後初めてだった。ライバルのブランコが週明けにも帰ってくる中で、強烈な存在感を示した。

 「巨人も負けない。こっちも負けないで、直接対決までくっついていきたい」。負けなら巨人にマジックが点灯した一戦。よみがえった43歳が、逆転Vへ力強く宣言した。【松井清員】