<日本ハム8-13オリックス>◇22日◇旭川

 記録的大勝のち、屈辱の大敗。日本ハムは先発の八木智哉投手(28)が2回5失点KOされるなど投手陣が打ち込まれ、今季ワーストの13失点で敗れた。前日21日に1イニング11得点の大量点で快勝したばかりだったが、1日で結果は正反対に。3年越しで続いていた旭川での連勝も、5で止まった。

 暑さに加え、悔しさ、落胆…。栗山英樹監督(51)の表情にも、疲労がにじんだ。打線は2試合続けて奮起したが、それ以上に、失点がふくらんだ。「こういう時期なので、選手も必死になってやっている。こういう試合を取れると大きな流れがつくれると思ったんだけど。出ていく投手、出ていく投手が、抑えられなかった」。前日21日に1イニング11得点の球団タイ記録をつくった24時間後、今季ワースト13失点で敗れた。

 1週間前の15日楽天戦、危険球退場のためわずか8球で降板した八木が、今度は打ち込まれて2回5失点KO。1回2死一塁から、四球を挟んで3連打を食らうと、2回にも赤田に1発を浴びた。際どい判定にも泣かされたが「結果がすべてなので。しっかり反省して、次また頑張るだけです。それしかない」。試合後には、2軍での再調整が告げられた。

 一度狂った歯車は元には戻らなかった。2番手矢貫は高橋信、続くモルケンはT-岡田にそれぞれ被弾し、6回までに10失点。打線の驚異的な粘りで2点差にまで詰め寄った7回にも、森内が2死走者なしから2つの四球と2本の安打で3点を失った。「(コースを)狙いすぎました。何とかして修正しないと」。新人とはいえ1軍に定着し、ブルペンを支えてきた森内だが、プロ初黒星を喫した19日ロッテ戦に続き、2試合連続の炎上。栗山監督は「疲れもあるのかなと思う。やられればオレが悪い」と責任をかぶったが、追い上げムードだっただけに痛恨のイニングになった。

 大事な一戦だった。混戦に身を置き、一進一退を繰り返す中、指揮官は「どこかで大きな流れをつくりたい」と話してきた。前日21日の大勝はそのきっかけになりえたが、そのチャンスは投壊で逸した。登板が多くなっている中継ぎ陣を立て直すため、今日23日にはベテラン木田が今季初昇格する。

 北海道内の地方開催最終戦。栗山監督は「あっ、とんぼだ。これからどんどん赤とんぼが出てくるよね」と空を見上げた。夏のにおいを残しながらも、確実に秋が近づいている。プロ野球界にとっては勝負の時期。「ちょっと、もう落とせない」。どんな形でも、欲しいのは白星だ。【本間翼】

 ▼日本ハムが今季ワーストの13失点。2ケタ失点は今季5度目で、6月5日広島戦(札幌ドーム、3-12)、8月2日ロッテ戦(QVCマリン、2-12)の12失点が今季の最多失点だった。対オリックスの2ケタ失点は、10年4月28日に札幌ドームで5-13で敗れて以来で、日本ハムの13失点以上もこの時以来となった。