<中日2-0ヤクルト>◇24日◇ナゴヤドーム

 燃える男が帰ってきた!?

 中日のエースナンバー20番をつける中田賢一投手(30)が7月7日DeNA戦以来の今季5勝目を挙げた。巨人のV10を阻んだ74年の復刻ユニホームを着てヤクルト打線を8回3安打無失点。打倒巨人に闘志を燃やした星野仙一(65=現楽天監督)の姿がナゴヤドームによみがえった。

 オールドファンが胸を躍らせるような光景がナゴヤドームに広がった。背番号20を背負う右腕がスコアボードにゼロを並べる。ピンチは2回2死から田中、森岡に連打を浴びて一、三塁となった場面。直後に中村を直球で遊ゴロに仕留めると、その後は危なげなかった。得点圏に走者を背負ったのはこの1度だけ。117球を丁寧に投げて2年ぶり完封まであと1歩という内容だった。

 「ちょっと危ないと思いながら投げていた。フルカウントも多かったし、投手にも球数を投げすぎた。けっこう苦しい8イニングでした」

 燃える男の魂が宿ったのか。クリーム色に青のライン。そして赤字でチーム名。当時の背番号20と言えば、竜党ならずとも野球ファンが思い浮かべるのが、闘志むき出しで投げていた星野仙一の姿だろう。エースの系譜を受け継ぐ右腕も試合前から気持ちは高ぶっていた。

 「(ユニホームを)もらった瞬間にあ~と思った。すごいユニホームなんで。感動してそれに恥じない投球をしようと思った。映像とかでみたことはあるんですけど、なかなか(あいさつに)行きづらくて。行かなくちゃいけないですよね…」

 この戦闘服に刺激を受けたのは中田賢だけではなかった。今から38年前。与那嶺監督率いる中日は、ゲーム差なしの接戦を制して巨人V10を阻んだ。当時の優勝メンバーだった高木監督も「優勝したときのユニホームだからね。ひょっとしたら優勝できるかもしれんよ」とご満悦だった。

 中田賢は次回中5日で巨人戦(郡山)に登板する可能性もある。この日、巨人も勝ったため6ゲーム差は変わらず。直接対決で負けるわけにはいかない。「今日はまっすぐが元気なかったんでまっすぐの威力を取り戻してねじ伏せたい」。偉大な先輩から引き継いだ闘魂。首位巨人に全力でぶつける。【桝井聡】