中村GMも、文句なし!

 阪神は10日、今秋ドラフトで大阪桐蔭・藤浪晋太郎投手(3年)を1位指名することを確認した。大阪市内の電鉄本社で、坂井信也オーナー(64=電鉄本社会長)と南信男球団社長(57)、中村勝広GM(63)ら球団首脳が、2、3年先を見据えてのドラフト戦略を話し合った。猛虎再建の軸として、地元校出身の大型右腕の獲得を狙う。

 中村GMが誕生して初となる首脳会議の後、南球団社長は明るい表情でこう説明した。

 「スカウトからの調査結果を聞かせてもらった。2、3年先を見据えて、こういうチームをつくっていこうということで会議をやった次第です」

 高野球団本部長、嶌村GM補佐も出席した会議の主な議題は、ドラフト戦略、2、3年後のチームづくり。ここまで南球団社長は甲子園で春夏連覇を達成した藤浪を1位候補筆頭に挙げていたが、オーナー、GMの承認も得た。同社長は「みんな共通認識として賛成です」、坂井オーナーも「思っている感じは一緒だと思います」と話した。

 中村GMは「聞いていただけです」と語るにとどめたが、就任会見で、広い甲子園にマッチした投手中心の守りの野球を目指す方針を示している。軸になるのが将来のエース候補・藤浪獲得と、その育成だ。

 南球団社長は「ドラフトで入った選手を自前で育てて、投打にわたる骨格をつくっていく。来年だけじゃなく2、3年先を見据えたチームづくりをしていくということです」と強調した。藤浪獲得に成功した場合は「英才教育プラン」も描いている。2軍戦を視察した中村GMが推薦選手を集中的に実戦起用するプランを明かしたが、南球団社長も「当たり前のこと。これと目をつけた選手は英才教育というか、起用していくべき」と賛同した。

 藤浪はこの日、「プロなら国内」という考えを明かした。18U世界選手権(ソウル)の行われた韓国から帰国して一夜明け、大阪・大東市の大阪桐蔭で夏の甲子園の優勝報告会に参加。「自分の中では、メジャーは全然考えていません」と話した。すでに、日本のプロを選ぶ場合は「12球団OK」の姿勢で待つ考えを公表しており、近日中に西谷浩一監督(42)と話し合い、最終的な判断を下す見込みだ。

 球団史上初めてGM制を導入した阪神は、地元校出身の「スーパーマン」こと藤浪を中心に猛虎復活の土台を築く。