ソフトバンク秋山幸二監督(50)が27日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の代表監督を「断固拒否」する構えを見せた。NPB側から受けた就任の打診は既に断っているとし「(王会長と)会っても(意思は)変わらないよ」と、言い切った。加藤良三コミッショナーの特別顧問を務めるソフトバンク王貞治球団会長(72)が近く直接説得に動く見込みだが、翻意させるのは極めて困難な状況だ。着地点が見えかけていた監督選考だったが、再び白紙に戻る可能性が出てきた。

 博多へと戻る新神戸駅で、秋山監督はあらためて代表監督への就任を強く否定した。既に行われていたNPB側からの打診に対し「もう断っているから」と、初めて明かした。今日28日に王会長が福岡入りして会談する見込みだが、これについても「会っても変わんないよ」と明言。さらに条件面など交渉の余地を問われても「個人的にも受けられない」と答えるなど、かたくなな姿勢を貫いた。

 秋山監督が固辞することは、加藤コミッショナーらNPB側も当初から想定していた。だが、秋山監督と師弟関係にあり、自身も第1回大会で現役監督として指揮を執った王会長が説得に乗り出せば、翻意して引き受けてくれるものと考えていた。また秋山監督の「現役監督の兼任は難しい」という考えにも理解を示し、前回優勝監督の巨人原監督にアドバイザー的な役職に就いてもらう案を示すなどして、秋山監督のサポート体制を整えていた。

 だが、秋山監督の拒否姿勢は、NPBの想定以上に固かった。水面下の打診を受けても軟化する気配はなく、報道陣にも断固拒否する考えを明言。25日には「現場は難しい。オレは無理だって言ってるだろ」「監督をやったことない人が(人事を)やっているから、現場がという考えが出てくる」などと、声のトーンを荒らげる場面もあった。

 NPBとしても、秋山監督と交渉の余地があるならば長期化も辞さない考えはある。だが、監督問題は、8月中に決定したいところを先送りしてきた経緯もある。また就任を明確に拒否する発言をしており、ファンに拒否反応が出ることも懸念される。これ以上、秋山監督の姿勢に軟化の気配が見えなければ、速やかな方向転換を余儀なくされる。今日にも行われる王会長との会談が、大きなポイントになりそうだ。

 WBCは既に世界各地で予選がスタート。前日26日には正式な日程が発表され、日本は第1ラウンドで強豪キューバなどと戦うことが決まった。11月にはWBCの強化試合として、そのキューバと前哨戦を行うことも内定している。しかし、3連覇を狙う侍ジャパンの「中身」は白紙のままだ。決着間近とみられていた監督問題が、再び振り出しに戻ってしまう可能性が出てきた。