今季限りでの引退を表明している阪神金本知憲外野手(44)が1日、広島市内のトレーニングクラブ「アスリート」でトレーニングを行った。同クラブで練習するのは現役最後。ユニホームを脱ぐ選手とは思えない形相だ。スクワットで下半身を踏ん張り、歯を食いしばって耐える。1時間近く、精力的に汗を流した。
長年のパートナーである同クラブ平岡洋二代表ですら「さすがに今日は来ないと思っていた」と驚いたが、金本は事もなげに「試合もある。動きもね、最後にいいパフォーマンスをしたいから」。闘志はまったく衰えず、残り3戦に全力を尽くす準備を整えた。
シーズン中も筋力トレーニングを継続し、1492試合連続フルイニング出場の世界記録を樹立。引退する選手が表明後も必死に筋力トレーニングを行うこと自体が超異例だが、鉄人は最後まで鉄人だった。
練習後は広島市を一望できる、故三村敏之監督の眠る墓を訪れた。両手を合わせて目をつぶる。5、10、15秒…。「もう、3年前か」。墓をじっと見つめて再び手を合わせた。広島での11年間、一流への足掛かりを築いた時期に指導を受けたのが同監督だ。09年に亡くなった恩師のもとへ足を運び、引退を伝えた。
金本は言う。「歴代の監督にはあいさつしている。報告と感謝の気持ちと。よくいじめてくれて、おかげで強くなった。厳しかったからね。阪神に行ってからも(山本)一義さんとミム(三村)さんは一番心配してくれていた」。妥協せず、夢を追い続けた現役生活も間もなく終わる。故郷広島でけじめの報告を終え、いよいよ野球人生を集大成する。【酒井俊作】



