オリックス北川博敏内野手(40)、鈴木郁洋捕手(37)が来季構想外となったことが2日、明らかになった。同日、球団と話し合いを持ち通告された。両者とも態度を保留したが「ミラクル弾」男の北川は現役を引退するとみられる。

 笑顔を絶やさない男も寂しい思いを隠せなかった。神戸市内の合宿所「青濤館」で、球団との話し合いを終えた北川は硬い表情で取材に応じた。

 昨年、左アキレスけんを断裂し、復活を目指したシーズン。ここまでわずか58試合の出場にとどまり、2軍生活が長かった。それでも来季への強い意欲をたびたび示してきたが「正直、限界も感じていたし、来季のことを言っていたのも、奮い立たせるためだった。2軍にいて上に上がれない状態で、若い選手と一緒にやっていて限度も分かるし、そろそろかなと思ってはいました」と心境を明かした。

 今後については「近々球団と話をしますが、家族とも相談して決めたい」と話すにとどめたが、気持ちはユニホームを脱ぐ方向で固まっているとみられる。

 94年ドラフト2位で阪神に入団。近鉄移籍後の01年9月、オリックス戦で「代打逆転サヨナラ満塁優勝決定本塁打」を放つ離れ業を演じた。勝負強い打撃を誇り、丸顔でにこにこしていることから「アンパンマン」の相性でもファンに親しまれてきた。球団では功労者でもある北川の返答を待ち、引退試合の開催なども検討する模様。プロ18年目のベテランが、静かにバットを置くことになる。

 ◆北川博敏(きたがわ・ひろとし)1972年(昭47)5月27日生まれ。兵庫県出身。大宮東から日大に進み、94年ドラフト2位で阪神に入団。01年に移籍した近鉄で打撃が開花。主力選手に成長した。ここまでの通算成績は1263試合、1075安打、102本塁打、535打点。180センチ、95キロ。右投げ右打ち。家族は夫人と1男1女。