<中日4-1阪神>◇3日◇ナゴヤドーム

 中日山本昌投手(47)の目が覚めた。打席へ、金本がゆっくりと歩みを進めてきた。もう何度も見た光景だ。2-1の4回。無死満塁と大ピンチ。「まさか、あんなとんでもないところで出てくるなんて思ってなかった」と苦笑いを浮かべたが、試合では2人だけの空間をかみしめる余裕はなかった。

 カウント1ボール2ストライクからの4球目。135キロ直球で力ない二飛。対戦打席数はDeNA三浦の286に次ぐ2位の239を数えた名勝負。「ジーンときた。これで金本とも終わりなんだな」と、戦いに幕を下ろした。

 この勝負が力をくれた。後続を三振、右飛に打ち取ってこの回を無失点で切り抜けると、続く5、6回はスイスイ。2番手で3回無失点の好投で、4月30日DeNA戦以来となる3勝目を手に入れた。47歳初勝利は、自身の持つ最年長勝利のセ・リーグ記録も更新した。「ノーアウト満塁から0点は、二十何年やってそう何回もない。金本だったから、0点に抑えられたのかもしれない。本当にお疲れさま、今までたくさん勝負してくれてありがとうと言いたい」と感謝した。

 CSを控える投手陣は、吉見が故障で離脱、ソトも左肩の張りで不安を抱えている。高木監督から「川上と2枚、計算ができるわね。CSは総力戦。アタマ(先発)も十分考えられる」と期待を寄せられた。長年のライバルを全力で送り出した。さらば金本。そして、山本昌は「どんな形でもチームの役に立ちたい」と、まだまだ戦いの最前線に立ち続ける。【八反誠】