<楽天2-4西武>◇3日◇Kスタ宮城

 ルーキーイヤー最後の先発は悔しさを残して終わった。楽天釜田佳直投手(18)が西武戦に先発し、6回9安打4失点で4敗目を喫した。2回、中村にソロを浴びると、6回には1死二、三塁からオーティズに適時二塁打を浴びるなど、痛恨の3失点。失投を逃さない西武打線に屈した。3年ぶりのCS進出には残り5戦全勝が最低条件。チームは文字通り、崖っぷちに立たされた。

 釜田は打球をぼうぜんと見届けた。1点ビハインドの6回1死二、三塁。オーティズに対し、フルカウントとした。6球目、捕手岡島の出したスライダーのサインに首を振った。「一番自信を持って投げられる球だったので」。選んだのは146キロの直球だった。外角を狙ったが、真ん中付近に甘く入った。完璧に捉えられ、左中間を真っ二つ。「まだまだ力が足りないと思いました」と、負けを認めるしかなかった。

 課題を克服できなかった。登板前日、こう話していた。「高校の時は甘い球でも打ち損じてくれたけど、プロではそれが本塁打になる。1球で負ける、1球の怖さを感じました」。昨夏の甲子園、金沢のエースとして最速153キロの直球でその名をとどろかせたが、今季19試合の登板でプロの厳しさを痛感した。この日も1回から丁寧にコーナーを突いたが、失点につながった中村の本塁打、オーティズの適時打はともに真ん中付近への失投だった。

 失投に悔いは残っても、自分の選んだ道に悔いはなかったはず。プロ入りに当たり、封印したものがある。カットボールだ。高校時代は多投していたが、プロ入り後「今年は間違いなく投げないです」と誓っていた。なぜか。「まずは自分の直球がどれだけ通用するか」というのが理由だった。カットボールに頼れば、持ち味の直球がおろそかになると考えていた。追加点を奪われた6回の場面は、その直球を選び痛打された。自慢の決め球は、通用したとは言えなかった。5月上旬にデビュー後負けなしの3連勝も、7勝4敗に終わった。「最初はいい思いをさせてもらいましたけど、1年トータルしたら、悔しいですね」と振り返った。

 プロの洗礼を最後の最後まで浴び、「悪かった点も多かったけど、それを克服して、しっかり来年に引き継いでいかないといけないです」。

 この思いを忘れずに、一回り大きくなるしかない。【斎藤庸裕】