<巨人8-1DeNA>◇5日◇東京ドーム

 待望の1発が出た!

 巨人村田修一内野手(31)が、9月2日のDeNA戦以来の1発を放った。6点リードの7回、DeNA大原慎から左翼席に12号ソロを運んだ。3回には33打席ぶりの安打となる右前適時打を放ち、5回には中前打。不振にあえいだ主砲が1本塁打を含む3安打でクライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズに向けて復活を印象付けた。

 不振にあえぐ村田が、ようやくトンネルを抜けた。3回の第2打席で33打席ぶりの安打となる右前適時打を放つと、続く3打席目に中前打。極め付きは7回。左翼席へ9月2日以来の12号ソロを放った。あれだけ出なかった安打が一気に3本。「野球って不思議ですね。32打席本当に苦労して、1本出て、2本出て、本塁打まで出るんですから」。しみじみと振り返る口調に、味わった苦しさがにじみ出た。

 必死にもがいた。不振に陥ると、試合前練習での走り込みに早出特打…と汗を流し続けた。スタメンを外れようが、がむしゃらに練習した。「いろんなことを考え、試してきた」と試行錯誤を繰り返した。

 そんな中、シーズン序盤のようにバットを短く持つことだけはしなかった。「期待されているのは長打」という熱い思いはある。だが、一番の要因は「自分のスイングを思い出さないと短く持っても仕方ない」という冷静な判断にあった。復活の鍵は「フォーム修正」にあるとみていた。

 3日から2日連続で受けた原監督の個人レッスンで、始動が遅れないように修正された。「始動時にバットを後ろに引きすぎないように」と、本塁打王を獲得した07年時のように、足をがに股気味に外に上げるように変えた。「戻ってきた感じがします」と好感触をつかんでいた。

 復調の兆しは体にも表れていた。例年、調子が上がると、理想とするバットが内側から出てきている証拠として、右肘に痛みを感じるようになるという。今季はなかったその“サイン”が4日に出た。この日の3本は偶然ではなかった。

 原監督は「結果が出ないときはね、汗をかく、練習をする」と努力の成果を褒めつつ、続けた。「結果が出ていないときは点数が入っていないもんな。これはもう、やはり軸の打者。逃げも隠れもできない」。この日は6番だったが、期待されるのは「4番阿部の後ろ」。村田は「良い形で終わりたいし、気持ちよくCSに入れるように維持するのが大事」と気を引き締めた。自分の役割は、分かっている。日本一へのキーマンの逆襲が幕を開けた。【浜本卓也】