楽天岩村明憲内野手(33)が、来季の戦力構想から外れていることが6日、分かった。今季は2年契約の最終年だったが、1軍出場26試合で打率2割9厘、1本塁打と結果を残せなかった。球団からは今日7日に通告されるとみられる。今後は現役続行に強い意欲を示している。

 岩村が来季の戦力構想から外れた。2年契約の最終年ということと、銀次、枡田らが台頭するなど若返りを図るチーム方針もあり、今後は移籍先を探すことになる。今日7日、球団から通告される見込みだが「まだまだやれる。このままでは終わらない」と、現役続行に強い意向を示した。

 再起への思いは実らなかった。移籍1年目の昨年は打率1割8分3厘に終わった。背水で挑んだ今季は2月のキャンプから早朝練習にも積極的に参加し、チームを引っ張ってきた。しかし、3月中旬に見舞われた右ふくらはぎ肉離れのため、開幕は2軍スタート。6月上旬に1軍に昇格し、7月7日には日本復帰後初本塁打を放った。だが8月上旬に再び2軍に降格。その後は1軍昇格はならなかった。

 09年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では日本代表として、チームの2連覇に貢献。ヤクルトからレイズにポスティングシステム(入札制度)で移籍後は、ワールドシリーズにも出場した。日本復帰後はケガなどの影響もあり、満足できる結果は残せなかった。

 プロ生活16年目となる今季は、メジャーでの経験をチームメートたちに伝えてきた。若手がミスをし、負けた試合では「ミスは誰でもするもの。それをみんなでカバーするのが、野球。みんなで助け合うのが野球」と説いてきた。実績と経験から、野球への前向きな考えを熱心に教えてきた。

 今後は現役続行を希望しており、トレーニングを続けながら移籍先を探していくことになる。

 ◆岩村明憲(いわむら・あきのり)1979年(昭54)2月9日、愛媛県生まれ。宇和島東から96年ドラフト2位でヤクルト入り。04年から3年連続打率3割、30本塁打をマーク。06年オフにポスティングでデビルレイズ(現レイズ)に移籍。08年球団初のリーグ優勝に貢献。11年から日本球界に復帰し、楽天でプレー。ヤクルト時代にベストナイン2度、ゴールデングラブ賞6度。176センチ、84キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸1億5000万円。