ソフトバンク小椋真介投手(32)が、現役引退を決めた。7日、福岡ヤフードーム内の球団事務所で戦力外通告を受け、任意引退の意向を球団に伝えた。「もう野球はしないと伝えました。トライアウトも受けません」とさっぱりした表情だった。

 ケガに泣かされ続けた14年間だった。福岡工大付から98年ドラフト3位で入団。プロ12年目の10年にようやく先発ローテーションに定着し、4勝をマークした。翌11年9月に左肘を手術。今季は春に2軍戦で登板も、股関節を痛めた。夏場にはブルペン投球を再開するまでに一時回復したが、再発し日々地道なリハビリに励んでいた。「今回は痛さに気持ちが負けました。私生活にも影響を受けている。他球団の話があったとしても来年投げるのは難しい」と引退を決意した。

 一番の思い出は2年目00年3月3日、大分で行われた巨人とのオープン戦。先発しマルティネスに場外弾を浴びるなど3回2/3で11失点。「ジャイアンツにボコられた。今でも覚えている」と強烈な洗礼は現役を続けてきた原動力となった。

 引退後は未定。「松坂世代」の豪腕左腕が静かにユニホームを脱いだ。【石橋隆雄】

 ◆小椋真介(おぐら・しんすけ)1980年(昭55)8月1日、福岡市生まれ。福岡工大付から98年ドラフト3位で入団。2軍で最速156キロをマーク。通算成績は69試合、7勝9敗1セーブ、防御率5・60。182センチ、85キロ。左投げ左打ち。