<セCSファイナルステージ:巨人2-5中日>◇第2戦◇18日◇東京ドーム
高木竜の勢いが止まらない。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第2戦で、今季1勝の4年目伊藤準規投手(21)が巨人打線を7回2/3、2失点に抑え込んだ。打っても2安打1打点と活躍し、2連勝を演出。弱気発言を連発していた高木守道監督(71)の起用がズバリ的中。巨人のアドバンテージを含め、2勝1敗と優位に立った。
プロ4年目伊藤が、中日連勝の立役者になった。1回に坂本の適時打で先制点を許したが、2回から6回までパーフェクト。中盤まで決め球のカーブを封印する谷繁のリードにも助けられ、8回途中まで2失点でしのいだ。打っては、2回に無死満塁からボテボテの投ゴロで同点打、4回にも右前打を放つなどバットでも貢献。試合後にウイニングボールを受け取ると、うれしそうにお尻の左ポケットにしまった。
「(先発は)昨日言われました。初回の失点は悔しかったですけど、気持ちのコントロールがしっかりできたと思う」
「頑張れよ、18番」-。8月に脳内出血で亡くなった稲葉投手コーチの言葉が今も頭から離れない。中日の18番を背負い活躍した稲葉氏は、伊藤が入団した09年から若手の育成を担う指導者としてチームに復帰した。リハビリからプロ生活をスタートさせた高卒右腕にとって、毎日がマンツーマンの特別授業だった。
「『お前は投げられるのは分かってる』っていつも言われていました。基礎から応用まで教えてもらった」
プロ2年目に初勝利を挙げて稲葉氏の手を離れてからも、会えば必ず「頑張れよ、18番」と笑顔で声をかけられた。下半身と上半身を連動させてスムーズなフォームで投げること。調子を崩せば、口酸っぱく言われた教えが頭に浮かぶ。
「ずっと稲葉さんに教わってきた。今日勝てたのは稲葉さんのおかげだと思う。まだはっきり考えてないですけど(ウイニングボールを)稲葉さんのところに持っていきたい」
笑いが止まらないのは高木監督だ。ネガティブ発言連発の“死んだふり作戦”から2連勝。「こんなゲームができるとは思わなかった」とにっこり。「これで(レギュラーシーズンも含めて)巨人に1つ勝ち越した。明日は巨人が爆発しますよ」。71歳監督の勢いは止まらない。【桝井聡】
◆伊藤準規(いとう・じゅんき)1991年(平3)1月7日、愛知県稲沢市生まれ。岐阜城北では1年夏からベンチ入りも甲子園出場はなし。08年ドラフト2位で中日入団。中日の高卒新人では43年ぶりに背番号18をつける。1年目から1軍登板し、2年目の10年にプロ初勝利。186センチ、72キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸900万円。



