オリックスが、前ロッテ投手コーチの西本聖氏(56)と契約を結ぶことが26日、決定的となった。けが人が続出し、リーグ最下位のチーム防御率3・34に沈んだ投手陣の再建に、球団OBで指導力にも定評がある同氏に白羽の矢が立った。

 西本氏は74年ドラフト外で巨人入団。伝家の宝刀シュートを武器に、81年に18勝で沢村賞。89年には中日で20勝を挙げて最多勝を獲得するなど輝かしい実績を誇る。ドラフト外から初の通算150勝を挙げた努力の人でもある。オリックスでも93年にプレーして5勝した。コーチとしても03年に阪神のリーグ優勝に貢献。10年はロッテでリーグ3位からクライマックスシリーズを勝ち抜いての日本一に輝いている。西村監督の退任もあって15日にロッテを離れたが、古巣から要請を受け、20年ぶりのオリックス復帰となる。

 森脇オリックスは指導者の若返りをテーマにしている。52歳の指揮官を筆頭に、40代のコーチも多い。56歳で最年長にあたる西本氏には、豊富な経験に基づいた「重鎮」としての役割も期待されている。既にDeNA石嶺打撃コーチの入閣も決定的。投打の柱となるべき新コーチが固まってきた。

 ◆西本聖(にしもと・たかし)1956年(昭31)6月27日、愛媛県松山市生まれ。松山商から74年ドラフト外で巨人入団。80年から6年連続2ケタ勝利。81年には18勝で沢村賞を獲得。中日に移籍した89年、20勝で最多勝。93年にオリックスで5勝し、94年に巨人で引退。03年に阪神で、10年からは3年間ロッテでコーチを務めた。176センチ、81キロ。右投げ右打ち。