未来の4番は秋山級!

 2年目の期待の大砲、阪神中谷将大捕手(19)が3日、秋山幸二ソフトバンク監督以上の素材と絶賛された。高知・安芸秋季キャンプで指導した巨人OBの広岡達朗氏(80)が、西武監督時代の教え子に例えた。西武黄金時代を支えたAK砲の一翼にまで中谷が育てば、虎の外野戦線も大きく動く。3年目の来季の飛躍を目指し、鍛錬を積む。

 中谷を指導した広岡氏がその素質に惚れ込んだ。「あれはいい素材をしている。秋山よりパワーがある。2年くらい特別に訓練していったら、おおっという選手になる」。西武監督時代の教え子である現ソフトバンク秋山監督以上のパワーがあると絶賛した。

 西武が85年にリーグ優勝を果たした原動力となった若獅子に中谷の姿を重ね合わせた。秋山監督は現役時代、華々しい成績を残した。89年に史上5人目のトリプルスリーを達成し、90年にはプロ野球史上初の30本塁打、50盗塁を記録。ゴールデングラブ賞には11回輝いた。走攻守全てにおいて、トップレベルのスター選手に例えられる中谷の潜在能力は計り知れない。

 中谷は「あんまり見てないんでわからないです」と秋山監督の現役時代を知らない。それでも、スターに少しでも近づく努力を続けていく。「まだまだなんで、練習あるのみです」と口元を引き締めた。

 昨秋から本格的に外野転向した中谷に、内野手の動きを1からたたき込んだ。広岡氏は「何事も順番がある。手順を抜いてすぐ要求してもできない。素手で膝を使って捕る。そこからグラブを使っていく。順番を教えていったらできる」と説明。中谷は「内野手のことを教わりました。足の使い方とか捕球の時は、(グラブとボールが)衝突しないようにとかですね」と収穫を得た。

 広岡氏はコーチ陣にもゲキを飛ばした。「成長しないのは指導者の教え方が未熟ということ。こうやれば育つというのを教えて、継承できれば」。猛虎は生まれ変われるか。今季、1軍デビューした中谷がその象徴となる。【岡本亜貴子】

 ◆秋山幸二の歩み

 八代から80年ドラフト外で西武入団。プロ入り当時の背番号は71。2年目の82年に13本でイースタン・リーグ本塁打王を獲得。同年から米教育リーグに3度参加し、メジャー関係者から高評価を受ける。85年にレギュラーを獲得し、西武黄金時代を支える。93年オフにトレードでダイエー移籍し、02年引退。08年オフにソフトバンク監督に就任し、11年日本一に導いた。