中日のエース吉見一起投手(28)が「吉見塾」で、V奪回に不可欠な投手陣の底上げに一役買う。来年1月の福岡県内での自主トレに期待の右腕小熊凌祐投手(22)を帯同させるプランを明かした。今年は大野を急成長させ、オリオールズに移籍したチェンも海の向こうでいきなり大活躍と実績十分。エースはマウンドを降りてもチームのためにフル回転する。
吉見には見える。打者心理を見透かし面白いように打ち取る投球同様に、エースは鋭い分析で自軍投手を見極めていた。チェン、大野を活躍へと導いたオフの「吉見塾」。今季5年連続2ケタ勝利を挙げた“塾長”は、来季5年目を迎える小熊に目をつけた。
「いいボール、独特のボールを投げるんです。でもひと言で言えば無駄が多い。力はあるのに、自分で崩れているような気がするので」。チームのため、その素質を開花させようと来年1月の自主トレに誘った。
ここ数年通う福岡県内の施設での自主トレは、独特のアプローチで行われる。坂は、上って負荷をかける訳ではなく、腕を振って下るために使う。大きく腕を振る動作に、投球時の腕振りとの共通点があるからだ。体のズレを調整しながら正しい動きを覚え込ませる。チェンも大野も昨年に続いての参加を希望しているという。
小熊は今季、ウエスタン・リーグでは16セーブを挙げセーブ王になった。肝心の1軍では登板1試合で勝ち負けなし。プロ初勝利した昨季からの成長を示すことはできなかった。9月中旬に右肘肘頭(ちゅうとう)を骨折し、2軍でリハビリを続けた吉見は小熊のキャッチボールで、気になることがあった。「ボクはコーチではないですし」と立場をわきまえ練習では見守っていたが、オフの自主トレなら先輩としてアドバイスはできる。すでにこうすれば、という“処方箋”も準備してある。
「ボクはこいつに負けたくないとか、そういう気持ちはないんです。みんなで活躍すればいいんです」。V奪回のため、大黒柱として支える竜投の底上げに自らフル回転する。【八反誠】



