米大リーグのツインズからFAとなった西岡剛内野手(28)が、古巣ロッテからの誠実な復帰要請に感謝した。5日、日本球界復帰に向けた最初の交渉として都内ホテルでロッテと話し合いの場を持った。約1時間15分の交渉を終えて西岡は「どこの球団よりも先に交渉しようと思った。ロッテに育ててもらったし、当たり前のこと。『力を貸してほしい』と言われて、その言葉だけで十分。今日においては感謝だけです」と思いを口にした。

 条件提示は2年契約で出来高も含めて総額4億円とみられる。争奪戦で圧倒的リードの阪神には及ばない。だが古巣からの熱いラブコールが単純にうれしかった。02年のドラフト時に入団拒否姿勢を翻意させてくれた松本編成統括に「絶対来てほしい。その思いは球団、チームとして一致している」と言われた。「ドラフトの時の初心に戻れるような気持ちになった。松本さんのことは一番信頼しているし、変かもしれないけど今回も両親以外では松本さんに相談するかも」と恩人の言葉に郷愁を抱いた。

 今後は近日中に阪神、オリックスと交渉予定で、その後、各球団に結論を伝える。「話をしたいという球団には感謝しているので、すべて会う。全球団と話し終わるまではフラットな状態」と強調した。それでも阪神優位の情勢は動かない。だが「人間なので情も出てくる。ロッテには育ててもらったので、一番悩むところ。(会う前と)気持ちが変わった。断る理由がない」と複雑な心境ものぞかせた。【広重竜太郎】