浩二ジャパン、困った-。来春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する日本代表の山本浩二監督(66)が5日、都内でスタッフ会議に臨んだ。会の最中、初陣となるキューバとの強化試合(16日=福岡ヤフードーム、18日=札幌ドーム)で4番起用を予定していた日本ハム中田翔内野手(23)の左手第5中手骨の骨折で全治3週間という一報が届き、戦略の見直しを強いられた。本番に向けても主力候補の大リーガーから出場の返答がなく、メンバー選考も難航中。課題山積の中でスタートを切る。
時間が過ぎるのを忘れるほど、山あり谷ありだった。スタッフ全員そろっての初めての会議を終えた山本監督は、大きく息をついた。「どのくらいやった?
5時間?
疲れるよなぁ」。今日6日に発表するキューバとの強化試合のメンバー28人の最終選考中に、悲しい知らせが届いた。4番で起用予定、本戦でもレギュラー候補と期待していた中田が「左手第5中手骨」の骨折の一報。リストから外すことになった。
指揮を執る記念すべき初陣の青写真が、暗礁に乗り上げた。山本監督は「4番を予定していた。骨折だって。残念やねぇ」と、うなった。今回の強化試合は、国内の若手主体で侍ジャパンを構成。「活躍すれば当然」と言うように、30日に主催者側へ提出するWBC代表28人を選ぶ、参考資料にする予定だった。中田はプロ入り後は国際大会は未経験とあり、海外の投手への適応力をチェックする絶好の機会だった。
今回の目玉の1人だっただけに、ショックは大きい。10月28日の日本シリーズ第2戦で死球を受け、その後も強行出場。3日の第6戦で本塁打を放ち、楽観的な見方もあった。山本監督は「骨折した中で、本塁打を打ったんだよな」と後ろ髪ひかれる、肩すかし。オリックスT-岡田らを主砲の代役候補に急きょ、スタメン見直しも図った。
来年3月の本番へ向け、さらなる難題も浮上した。イチローや黒田、ダルビッシュら大リーガー6人にWBC出場を打診しているが、この日時点で明確な返答がないことを明らかにした。投手13人、捕手3人、野手12人で編成する代表の軸になる大リーガーの動向が不透明。この日50人をリストアップしたが、周りを固める選手選考にも遅れが出る。立浪打撃コーチは「イチローと青木が出る、出ないで、ガラッと変わる」と危機感を募らせた。
中田とともに今回WBCの新戦力候補の西武中村も故障離脱でメドが立たない状況。このキューバとの2試合でイチロー、青木が本戦を欠場するケースを想定し「ポスト・イチロー」探しを行うことも確認。候補は中田の代役で招集される日本ハム糸井や、巨人長野、中日大島、楽天聖沢、ロッテ角中と具体名が挙がるほど、舞台裏に緊迫感がある。山本監督は「日本シリーズが終わり、燃えてくるものがある」とめげなかった。浩二ジャパンは見切り発車だが、テンションは沸騰していた。【高山通史】<中田とジャパン>
◆NPB選抜対大学日本代表(09年11月22日、東京ドーム)NPB選抜の8番指名打者で先発し3打数1安打。5回に中後(近大=現ロッテ)から左中間を破ったが、一塁でストップ。次打者の右前打で三塁を狙い憤死するなど凡走の連続でブーイングを浴びた。
◆日本対台湾(12年3月10日、東京ドーム)東日本大震災復興支援試合にチーム最年少で出場。「若さを出したい」と五厘刈りで意気込み、5回に代打で出場ると激走で遊撃内野安打。6回には左翼線を破り3打数2安打2打点。「頑張って(第3回WBCに)選ばれる選手になりたい」と代表入りを見据えた。



