【釜山(韓国)6日=浜本卓也】狙うは優勝しかない。巨人は6日、韓国・釜山で8日に開幕するアジアシリーズに備えて現地入りした。日本シリーズから3日しかたっていないが、阿部、長野、坂本、村田ら枢軸も帯同し、投手陣も今季のローテーション投手を先発させる予定。原辰徳監督(54)は「全力で勝ちに行く」と宣言した。リーグ戦、交流戦、CS、日本シリーズに続いてアジアも制し、日本代表の実力を見せつける。

 原監督の心に、緩みなど一切なかった。自身初の韓国入りを前にした成田空港。意気込みを聞かれた原監督は「『釜山港へ帰れ』じゃなくて『行く』だな」と、歌謡曲のタイトルをもじってにやり。「もちろん、全力で勝ちに行く」と力強く宣言して、機内へと乗り込んだ。

 メンバー構成からも、勝ちにこだわる姿勢が垣間見える。日本シリーズから3日後ながら、野手陣では右ふくらはぎ筋膜炎の阿部をはじめ、長野や坂本といった枢軸を連れてきた。村田は「普通に全力で頑張るだけです」と疲れを口にせず、シーズンと同様のコメントで必勝を期した。

 投手陣も、単に大舞台を経験させる意図では起用しない。川口投手総合コーチは「まずは2試合勝たないと3試合目(決勝戦)はない。いい投手をどんどん使っていく」と発言。1戦目は今季に先発、中継ぎで台頭を見せた小山に先発を任せ、沢村、宮国といった今季のローテーション投手を先発に据える方針だ。

 夕方に現地入りすると、原監督の本気モードはさらに高まった。金海国際空港で韓国メディアから突然取材を受けた。テレビカメラ5台、約20人の報道陣を前に「しっかりと調整、準備をして明後日からに備えたい」と現地の熱を感じ、あらためて表情を引き締めた。

 昨年は日本代表のソフトバンクが決勝で敗れ、日本勢の連続優勝が4で止まった。「去年は準優勝だったもんね」。3年ぶりの頂点をつかんだシーズン同様、全員で戦い抜く「ジャイアンツ魂」で、昨年ソフトバンクの借りを返してアジアも極める。【巨人】アジアシリーズ参加選手

 ▼投手

 高木康、沢村、宮国、西村、小野、野間口、高木京、福田、江柄子、小山

 ▼捕手

 阿部、実松、加藤

 ▼内野手

 寺内、藤村、坂本、亀井、村田、石井、古城、中井

 ▼外野手

 長野、鈴木、松本哲、矢野、大田