巨人杉内俊哉投手(32)が、唯一の3大会連続となるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場へ強い意欲を見せた。22日、都内ホテルで行われたジョージア魂賞の表彰式に出席。クライマックスシリーズ、日本シリーズは左肩違和感で登板を回避したが、来春WBCについて「選ばれるような投球をしたい」と熱望した。2度の五輪と合わせ、豊富な国際経験を持つ左腕が、完全復活で3連覇に挑む。

 杉内が自ら切り出した。「肩のことですか」。違和感を抱えている左肩についてはポストシーズン中は、ほぼ無言を貫いていた。だが、この日は違った。「日本シリーズ中もブルペンには入れた。12月に入ったらキャッチボールをしてみて、何ともなければ大丈夫。すぐに肩は出来るほうなので」。その言葉は、来季の開幕戦ではなく、明らかにWBCを念頭に置いた話しぶりだった。

 回復を公の場でアピールするのには理由があった。「たぶん、そろそろ候補選手が発表される。そのメンバーに選ばれたら、そこを目指してやっていきたい」。杉内が認識している通り、28日のスタッフ会議を経て、来月4日に33人の候補メンバーが発表される。杉内は9月29日のDeNA戦を最後に戦列を離れているが「12月に入ったらキャッチボールをやる。例年、今の時期は肩を休めている。僕は、すぐに肩ができるので大丈夫です」。来年3月には間に合うと、侍ジャパン首脳陣に伝えたかった。

 大リーガーの不参加表明などもあり、実質3大会連続して出場できる可能性は杉内だけと言っていい。社会人時代にプロ・アマ混合チームで出場したシドニー、プロ入り後の北京と五輪にも出場しており、大舞台の日本代表に欠かせない存在といえる。今大会は日本人メジャーリーガー不在の戦いになるが「厳しいと思うけど、僕は結構、楽しみ。日本のプロ球団だけのメンバーで優勝を勝ち取ることができればすごいことなんでね」と、胸を高ぶらせた。

 8年連続で20試合以上に先発し、今季は172奪三振で最多奪三振のタイトルも獲得。「打たれるのは好きじゃない」と、常々話す負けず嫌いの左腕が、JAPANのユニホームでマウンドに立つ。【為田聡史】