元阪神小林宏之投手(34)が古巣ロッテの入団テストを不合格となり、引退する可能性も出てきた。25日、今月中旬の秋季キャンプ中に行われたテストの結果が球団から発表され、獲得が見送られた。また元西武のG・G・佐藤外野手(34)は合格となった。

 小林の3年ぶり古巣復帰はかなわなかった。16日からテストを行い、ブルペン投球を伊東監督らに見せたが、最速139キロの速球が威力不十分と判定。追試で3日目に急きょ、紅白戦に登板したが、2回を被安打6、5失点と大炎上した。編成がシーズン中に視察していた際の能力分析も踏まえて約1週間かけて検討したが、獲得見送りの結論に達した。伊東監督は「ブルペンが物足りなかった。紅白戦の結果も思わしくなかった。そのままの(結論)という感じです」と説明した。

 小林は古巣愛が強かった。阪神を戦力外となってから水面下で獲得に興味を示す他球団もあった。だが、こだわったのは古巣復帰。「ロッテに戻りたい気持ちが強い。14年間、お世話になった球団だし、一緒に戦ってきたチームメートと、また戦いたい」。戦力外直後はトライアウトを受ける意向がなかったため、ほとんど調整していなかった。だが11月初旬に入って打診されたロッテのテスト参加を受け入れた。急ピッチで練習を行い、仕上げたが、約2週間の調整では間に合わなかった。

 今後は他球団が獲得に動いたり、来春キャンプでの入団テストを要請する可能性もある。だが小林は古巣復帰への思いが強かった分、引退も選択肢に入ってきそうだ。小林は今後については「まだ何も決めていない。これからゆっくり考えます」と話すにとどめた。ロッテ2度の日本一に貢献したコバヒロが野球人生の岐路に立たされた。