阪神は29日、マット・マートン外野手(31)と27日(日本時間28日)に米ジョージア州アトランタ市内のホテルで来季契約を結んだと発表した。2年契約の2年目で、年俸は現状維持の300万ドル(約2億4000万円)。今季は打撃不振だけでなくプレー以外の騒動でも注目を集めてしまったが心機一転。新加入のブルックス・コンラッド内野手(32)と助っ人タッグを組み、V奪回へ貢献する決意を示した。(金額は推定)

 太平洋の向こうから、熱い決意が届いた。来季契約を結んだマートンが球団を通じて、4年目への意気込みを吐露した。

 マートン

 来年は、とにかくポジティブにいきます。結果が出せず、フラストレーションがたまる1年だったけど、来シーズンは、本来の自分に戻ってもう1度ヒットを量産していきたいと思います。

 来日3年目の今季はストライクゾーンの違和感にも苦しみ、121試合で打率2割6分、5本塁打、38打点。2年連続最多安打を記録した実力が影を潜めた。プレー以外でも、舌禍騒動やコーチへの造反劇など心身共に波に乗れず、トラブルメーカーとなってしまった。だが、来季は優良助っ人として代名詞の安打を量産し、復活を図る決意を示した。

 心強い存在の加入も刺激になっている。アスレチックス時代にチームメートだったコンラッドだ。新助っ人は「マートン選手にいろいろ教えてもらいながら、タイガースの優勝に貢献したいと思っています」と1歳下のマートンに教えを請う姿勢を見せていた。これにM砲も呼応した。助っ人野手タッグで、猛虎を8年ぶりのV奪回に導く覚悟だ。

 マートン

 コンラッド選手は、大変ハッスルプレーヤーで練習でもゲームでも手を抜かない選手であることはよく分かっています。自分がブラゼルから受けたアドバイスを、今度はコンラッド選手にさせてもらいます。彼とともに阪神の優勝のために全力を尽くします。

 今季限りで阪神を退団した盟友から得た日本で成功する秘訣(ひけつ)を、ファイターの新助っ人に伝承する。もちろん、自身の復活が最優先。すでにトレーニングも再開しており、来春キャンプインに向けて準備を進めていく。【岡本亜貴子】