阪神からFA宣言して米大リーグ・カブスと契約合意した藤川球児投手(32)が4日未明、羽田空港から渡米した。深夜の搭乗ゲートに現れた。笑顔を見せつつ心境を問われると「何も言いようがない」と言い残して機上の人になった。

 夢のメジャーリーガーへ最後のフライトだ。藤川は未明のロサンゼルス行きの航空機(ビジネスクラス)に乗り込んだ。カブスとはすでに2年契約950万ドル(約7億6000万円)で合意。今後はロスから本拠地シカゴに入り、メディカルチェックを受ける予定。クリアすれば、今週末にも晴れて正式契約、入団発表となる見込みだ。

 07年オフから訴え続けてきたメジャー挑戦がついに現実となる。11月中旬にFA宣言。それ以前から渡米して複数球団の施設や住環境などを直接視察した。米大リーグ10球団以上の争奪戦の中から、カブスを選んだ。そして、ついに最後の段階へと入った。

 愛着のある阪神と決別する日が近くなる一方で、これからは広大なフィールドでの新たな戦いが待っている。出国間際、居合わせた観光客から手を振って見送られた。メジャーリーガー藤川球児の誕生は秒読み段階。野望に満ちた旅立ちだった。