リーグ制覇に大きく貢献した日本ハム吉川光夫投手(24)が4日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸1100万円から大幅アップとなる5900万円増の7000万円(金額は推定)でサインした。536%のアップ率は球団史上最高。「びっくりするくらいの評価をしていただきました。また来年、今年以上にしっかり投げられるようにしたい」と笑みがこぼれた。

 “ダル査定”を勝ち取った。1年間ローテーションを守り続けて14勝5敗、防御率1・71。MVP、最優秀防御率のタイトルを獲得し「ダルビッシュさんの抜けた穴を埋めてくれたと言っていただきました」。投球回173回2/3、チームトップの5完投。昨季までダルビッシュがこなしていた役割だ。島田球団代表は「ここっていうところで、イニング数を伸ばしてくれた。先発投手では一番の評価です」と説明した。

 左肩、肘痛を抱えており、現在は軽めのキャッチボールをこなす程度。「まだ嫌な感じは残っています。キャンプにしっかりと合わせたい。来年は200イニング投げたいです」と来季への青写真を描いた。

 自主トレ地にも家族を招くなど、家族愛が強い24歳左腕。「家族に何か買ってあげたいです。家?

 そう言わせたいんでしょ。だったら僕はマンションですかね」。垂れ下がった目尻が、最高のシーズンを送ったことを物語っていた。【本間翼】

 ◆日本ハムの主な年俸大幅アップ

 これまで最大のアップ率は、リーグ優勝した09年にチーム最多タイの58試合に登板した菊地(現DeNA)が、770万円から約355%増の3500万円で更改。96年には金子誠が新人王を獲得し、700万円→2800万円の300%増。06年の武田久はリーグ最多45ホールドポイントで、1800万円から約289%増の7000万円でサインした。(金額は推定)