WBCで先発の軸として期待される巨人内海哲也投手(30)が9日、早くも本番使用球でキャッチボールを行った。川崎市のジャイアンツ球場に早朝から姿を見せ、楽天に移籍した金刃を相手に約20分。徐々に距離を延ばし、最後は50メートルに到達した。WBCで使用するボールはメジャー球と原則同じで、縫い目のヤマが低く、革も滑りやすいとされる。感性豊かな内海は「とにかく投げること。投げて感覚をつかむこと、ですね」とした上で、「でも、ボールというよりもですね…」と続けた。

 内海

 滑るのではなく「この球は滑る」と思いすぎてしまって、知らないうちに力んでしまう影響が大きいかも知れない。力まずに、バランスよく投げることが大切と思う。

 この日が初めてのキャッチボールだった。確かに序盤は普段の軌道と違い、少しバラツキがあった。だが、相手をじっと見つめてから、ゆっくり軸を作って投げるうちに、軌道はぴたりとまとまっていった。

 「チェンジアップが特に」と内海は言った。ボールに回転を与える終盤に、指先で滑らせながら抜いていく決め球が、この先の大きなテーマになる。ただボールの感覚はあくまで枝葉で、幹は自分のフォームで、自然体で投げること。左腕の発見は、他の侍メンバーにもヒントとなるはずだ。