魔球だ!

 お化けフォークだ!

 阪神ドラフト1位藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)が11日、沖縄・宜野座キャンプで揺れる魔球を披露した。初めて捕手を座らせた前日10日に続き、2日連続でブルペン入り。揺れるフォークを投じ、球を受けた藤井彰を仰天させた。巨人007も警戒。黄金ルーキーは魔球を進化させていくつもりだ。

 「うわ~!」。藤井彰が驚嘆の声を上げた。21球目から藤浪の女房役を務め、直球を2球受けた直後だ。18歳の黄金ルーキーが内角に投げたフォークを、36歳のベテラン捕手が捕球できない。

 藤井彰

 フォークは低めにいいように落ちていた。ちょっと揺れる感じもあった。いい球じゃないかな。

 巨人中里スコアラーも「フォークは揺れながら落ちていた。1球1球、落ち方が違う感じがした。あれだけの変化球が全部試合で使えるボールなら、こちらとしてはやっかい」と警戒警報を発令した。

 ただし、周囲が揺れる魔球を絶賛しても、藤浪は涼しい顔で言った。

 藤浪

 普通のフォークです。(揺れるのは)まれです。その時によって、揺れたり揺れなかったりです。

 極端に握りを変えることはないが「ちょっと浅くしたり、深くしたり」とバリエーションをつけているという。高校で通用していたからといって、通用するとは限らない。揺れる魔球を進化させていくつもりだ。

 藤浪

 バッターから空振りを取れるように、勝負ができるくらいのフォークにしたいなと思います。

 捕手を座らせて2度目のブルペン投球。7種類の球種、プロ最多の52球を投げ込んだ。前日は「全然良くなかった」と不満顔だったが、きっちり修正した。

 藤浪

 あまり良くなかったですけど、昨日より少し修正できた。ボールのばらつきとか、リリースが昨日ほど悪くなかった。

 藤井彰は直球にも「ワオ!

 ナイスボール」「速っ!」と驚きの声を連発。「力強い球がガーンってきていたよ」と目を丸くした。和田監督も「昨日より良かった。彼の投球はワクワクする。変化球を投げるのは彼の調整法。自分のペースを守って徐々に進めていってくれれば」と期待いっぱいだ。

 順調にステップアップしているが、13日からの第3クールでフリー打撃に登板する予定はない。じっくりと藤浪流の調整を貫いていく。【岡本亜貴子】