いよぉー、パン。
キャンプ打ち上げといえば恒例の、関係者全員で手をたたく儀式が“手締め”だ。その役目を担う西武のキャプテン栗山巧外野手(29)が、直前にある疑問を持った。「手を1回だけたたくのが、本当に一本締めなんですかね」。「一本締め」といわれて、何回たたくのか迷うことがある。栗山の違和感が、それだった。
球団関係者らと緊急調査し、目からうろこの結果が判明した。「拍手1回は、正式には一丁締めというんですね。知らなかった。それが一本締めだと思ってきたので」。疑念が晴れ、マウンドにできた円陣の中央に立つと「3・3・3・1の、一本締めでお願いします」と力強く言った。
パパパン、パパパン、パパパン、パン。
お見事!
宮崎・南郷の乾いた空に、そろった手拍子が鳴り響いた。わかりやすく手をたたく回数を補足し、誰も迷うことなく、全員が心を1つにしてキャンプを締めくくった。
礼儀作法には厳しい。主砲中島、中村が不在の穴をうめるべく、激しく競争した若手には、あいさつを徹底し、靴のそろえ方まで指導。技術以外の部分での成長も促した。「1つのポジションを奪おうと、活気のある、元気のあるキャンプだったと思います。火花をバチバチ散らしてましたから。正しい一本締めの形に戻して、いいスタートを切ることができた。これで優勝できるんじゃないかと思います」。締めの笑顔も完璧だった。【柴田猛夫】
◆一本締め
物事が無事に終わったことを祝い、関係者が拍手をそろえて手を打つ「手締め」の1つ。拍手が「3・3・3・1」が一本締め。これを3度繰り返すと三本締め。拍数の「3・3・3」は足すと「9(九)」で「苦」につながるため、これに「一」を点として足すと「丸」になり、物事が丸く治まる意味がある。「いよぉー」のかけ声は「祝おう」の言葉から変化した。拍手1つは、一丁締めという。地域などの違いで、一丁締めを一本締めと呼ぶケースもある。



