ソフトバンク武田翔太投手(19)が開幕投手に浮上してきた。大本命の摂津と、2番手とみられる大隣がWBC日本代表入り。決勝進出すれば「3・29」の開幕楽天戦(ヤフオクドーム)まで10日しか調整期間がなく、首脳陣も現時点で白紙と明言した。昨季高卒新人ながらチーム3位の8勝を挙げた武田に、白羽の矢が立つ可能性が出てきた。

 武田が球団67年ぶりの開幕投手になる可能性が出てきた。高山投手コーチは昨オフに「(開幕は)摂津しかいないだろう」と話していたが、この日は一転してトーンダウン。「そこはまだ分からない」と現時点で白紙となっていることを明かした。さまざまな状況をふまえれば、武田が「3・29」の先発マウンドに立っても不思議ではない。

 首脳陣は、摂津と大隣がWBC日本代表に決定したことを考慮している。日本が決勝トーナメント(3月17~19日)まで勝ち進んだ場合、日程面やWBC公式球を統一球に戻す調整から、開幕に合わせるのは難しい。また摂津は侍ジャパンでの起用法が流動的で1次ラウンド(同2~6日)は「第2先発」か中継ぎが有力。決勝トーナメントでは抑えに回る可能性もあり、さらに開幕への調整が厳しくなってくる。

 そんな背景とは別に、武田は黙々と調整を続けている。投内連係では、高山コーチから左膝と左肩の開きが早くなっていると指摘され、ブルペンのシャドーピッチで修正。開幕投手について「やるつもりで練習している。毎日課題を見つけて、ちょっとずつやれることをやって、チャンスを取りたい」と立候補した。

 今日23日、西武とのオープン戦(アイビー)に登板。今季初の対外試合だ。「やっぱり、意識は変わるんじゃないですか。ホークスの選手には内角を思い切り投げられない。気を使わなくていい。強気でいく」と宣言。地元宮崎での登板には「うれしい。ちょっと緊張するかも。楽しくできたらいい」と19歳らしい笑顔を見せた。鬼の居ぬ間に…ではないが、予定する2イニングで大役にふさわしい投球を見せたい。

 ▼ソフトバンク武田が3月29日の楽天との開幕戦(福岡ヤフオクドーム)に先発すれば19歳11カ月で、球団では1リーグ時代の46年松川博爾(19歳7カ月)以来67年ぶりの10代開幕投手となる。プロ野球では00年の西武松坂大輔以来13年ぶりで、2リーグ制後12人目。プロ野球最年少開幕投手は、52年の広島大田垣喜夫で18歳5カ月。なおプロ2年目の開幕投手は、球団では59年の杉浦忠以来、54年ぶり。