<イースタン・リーグ:日本ハム4-10ロッテ>◇4月30日◇鎌ケ谷

 右足首の捻挫で2軍調整中の日本ハムのルーキー大谷翔平投手(18)が、二刀流への調整を本格的に再スタートさせた。故障明け後2度目のブルペン入りし、その後ロッテ戦で代打で出場した。三塁ゴロに倒れたが、患部に影響はなく、1軍でも行ってきた二刀流モデルのスケジュールをこなした。最短で4日西武戦(西武ドーム)での1軍復帰が濃厚で、順調に調整を積む。

 二刀流に向け、大谷が再び進み始めた。この日、故障後初めて投打のスケジュールを消化した。痛めた右足首は「全然、気になりませんでした」。念のため、患部をテーピングしてはいたが痛みは感じなかった。1軍で野手として出場しながら、投手の調整ができるメドが立った。

 試合前、まずは投手としてブルペン入り。52球を投じた。球種は直球とカーブのみ。「(捕手を)座らせて投げられて良かった。後半は良かったです」と、球数を重ねるごとに手応えをつかんだ。前回4月27日の投球練習では、捕手を座らせて投げたのは13球だけ。本格的に球数を投げ込むのは久しぶり。制球にばらつきがあったが「次に投げる時はオフ明け(3日)。しっかり投げたい」と、次のステップを見据えた。

 ブルペンを出ると、野手としてグラウンドへ。試合出場に備えて打撃練習を行った。「振りも良かった」。フリー打撃では通常より重いマスコットバットで40スイング。柵越えは1本だったが、鋭い打球を連発した。試合には7回に代打で登場。1軍での実績があるロッテ小野の前に三ゴロに倒れたが「狙ったところに打てた」。真ん中から外角寄りの球を、逆らわずに打てたことに納得した。

 この日、新千歳空港で取材に応じた栗山英樹監督(52)は、4日西武戦で再昇格させる可能性を問われ「そうだね」と、前向きに答えた。チームが波に乗り始めており「起爆剤になるとしたら、投手としてマウンドに上がる時かな」と、今後は投手調整を優先させていく可能性も示唆した。大谷は今日1日の同リーグ・ロッテ戦(鎌ケ谷)に右翼で先発出場予定。「後半に集中を切らさずに、1試合を通してやりたい」と、近づく1軍復帰へ着々と準備を進める。【木下大輔】