<ロッテ7-0広島>◇19日◇QVCマリン
ロッテ大嶺祐太投手(24)が1138日ぶりの完封勝利を遂げた。広島打線を7安打7奪三振で今季2勝目。3回と8回以外、毎回走者を背負いながら、カーブを有効に使って要所を締めた。4勝の成瀬、西野を筆頭とした、20代投手王国は盤石の体制。打線も2本塁打含む7得点で大量援護し、チームの連敗を3でストップ。貯金7で首位をキープした。
すべて出し切った。9回2死。大嶺が初めて見た球数表示は、130になろうとしていた。握力も落ち、四球を出して一、二塁。広島中東を全力のフォークで遊ゴロに仕留めると、右拳を強く突き上げた。スコアボードに並んだゼロは9つ。「最後まで意識することはなかった。ものすごく、疲れました」。10年4月7日のソフトバンク戦以来、3年ぶりの完封劇。目の前のアウト1つ、1つに集中し続けた、今季最多139球の熱投を振り返った。
進化を遂げた。以前は150キロ近い速球で押すスタイルだった。だが直球が悪いと、変化球も入らない。悪いなりにまとめることができなかった。対して今回は「最初から真っすぐが良くない」状態での0封だ。「3年前は勢い。今日の方がうれしい」と屈託なく笑った。
新たな武器。それはカーブだった。今春キャンプ後、小谷2軍投手コーチのもとで猛練習を積んだ。きっかけは2年前、サブローがくれた助言だった。「遅い球は打つ方も勇気がいる」。それまで大嶺は、試合で緩いカーブを投げるのが「怖かった」。でもこれさえ決まれば、多少直球が悪くても生かすことができる。
今季1軍初先発の4月28日。7回途中2失点の好投の裏にはカーブの試投があった。「使える。自信になりました」。この日はカウント稼ぎから決め球まで、約20球のカーブを投じた。6回1死一、二塁のピンチでは、岩本を115キロで空振り三振に切った。
チームの連敗も3でストップ。成瀬に続く今季2度目の完投で、中継ぎ陣の休養にも一役買った。「これまで、中途半端な交代で迷惑かけましたから」。8回終了時、斉藤投手コーチに「いけるか?」と聞かれたが、首を振る選択肢はなかった。右肩痛で登板なしだった昨季からの、飛躍元年。投げられない悔しさは、もう十分知っている。志願の完投完封は、24歳の背中をひと回りもふた回りも大きく見せた。【鎌田良美】



