<楽天1-0中日>◇2日◇Kスタ宮城
みんなでキクを助けた。楽天先発の菊池保則投手(23)が今季初勝利。1-0の6回1死で降板したが、救援4投手が0でつないだ。打線は1回に聖沢諒外野手(27)の左前打で奪った1点のみだったが、野手が好守を連発。全員で、菊池に白星をプレゼントした。前日1日に交流戦首位から陥落したが、一晩で返り咲いた。
抜かれた!
マウンドの菊池も、スタンドのファンも、そう思ったかもしれない。1回、中日先頭大島の打球が左中間を襲った。だが、中堅聖沢が快足を飛ばし、走りながらキャッチした。2番荒木の打球も痛烈なライナーだった。これを、遊撃松井がジャンプしてグラブに収めた。ヒヤリとする当たりが続いたが、好守に助けられた菊池。1回を0で切り抜けると、三塁側ベンチ前でチームメートを最敬礼で出迎えた。
みんなでキクを勝たせよう-。その思い一色だった。松井は「今は守りの人だからね」と、2割4分を切る打率に謙遜したが、大きなプレーだった。2回無死一塁では、和田に対しカウントが2ボールとなると、すかさずマウンドに行き声をかけた。「間を入れてあげただけだよ。(菊池は)粘り強く投げていたね」と後輩右腕を立てたが、主将のさりげない気遣いが菊池の助けになったのは間違いない。聖沢は、3回にも好守を見せると「守りで菊池を助けられた」と喜んだ。
救援陣も、フル回転だ。6回1死からは、ハウザー、青山、片山、ラズナーと0でつないだ。最後を締めたラズナーは「菊池に初勝利をプレゼントしたいと思っていた」と明かした。
一晩で交流戦首位に返り咲いた。セ・リーグ相手に10勝5敗と好調だが、星野監督は「本当にやっつけた、って試合は少ない。塀の上を歩いているようなものだ」とたとえた。勝つか、負けるか、紙一重。一歩間違えれば“負け”に転落してしまう試合ばかり。そう言いたかった。だからこそ、ベンチ入りメンバーみんなでつかんだ勝利に価値がある。交流戦優勝、そして、その先にあるリーグ優勝へ、確実にチーム力の底が上がっていることを示した。【古川真弥】



