<ソフトバンク3-4阪神>◇2日◇ヤフオクドーム

 阪神の代打の神様桧山進次郎外野手(43)が、メジャー108勝右腕パディーヤを打ち砕いた。6回までわずか2安打に抑えられていたが、1点差とし、なお2死二塁で右中間を破る同点二塁打。藤浪の負けを消すと、続く柴田の勝ち越し打を呼び込んだ。代打で挙げた通算打点は101点目。43歳のベテランは、19歳を泣かせたりしません。

 43歳。幾度となく修羅場をくぐり抜けてきた。準備を怠れば、勝負に負ける。長年の経験がそうささやく。メジャー108勝右腕、パディーヤとの初対戦が近づく。桧山はスイングルームにこもり、映像に食い入った。「ボールを微妙に動かして、真っすぐのキレもいい。ある程度はモニターでチェックした」。初球からフルスイングできる段取りを終え、「代打の神様」という称号を背負った。

 桧山

 自分の前にナリ(今成)が1人をかえしてくれた。自分も続ければ、とね。みんなが作ってくれたチャンスやったから。

 2点を追う7回。1死二、三塁から代打今成が左犠飛を放ち、なおも2死二塁。代打桧山は初球の高め直球を強振した。ファウル。この1球で球筋を見極めた。1ボール1ストライクからの3球目。高め直球をとらえ、ライナーを右中間に弾ませた。値千金の同点二塁打が柴田の勝ち越し打を生み、首位奪取を導いた。

 プロ22年目のベテランでも、開幕前は不安を抱える。むしろ、代打専任となってから、その不安は増大するばかりだという。

 「結局、オープン戦ではどの相手も手の内を見せない。特に俺は一番後ろのピッチャーとやらないといけないわけだから、他の選手のようにオープン戦で準備するなんてことはできない。そりゃあ、不安はあるよ…。だから速い球に負けないこと。そして、自分のスイングをすること。それだけはやろうと思っている」

 常にぶっつけ本番。だから、打撃練習でボックスの前に立ち“体感速度”を上げていく。打撃練習の前後、ミラールームで自分と向き合う。メジャークラスの直球を仕留め、代打通算101打点を記録。1打席1打席、ベストスイングする準備を整えてきた結果だ。

 巨人が5連敗を喫し、6月以降では10年9月9日以来の首位奪取。上昇ムードのど真ん中で、冷静に言った。「それは別に…。まだまだ6月やしね」。03年、05年リーグ優勝の味を知る、数少ない存在。地道に冷静に、V奪回ロードを舗装していく。【佐井陽介】

 ▼桧山が代打で同点二塁打を放ち代打通算101打点、同152安打を記録。ヤフオクドームでのソフトバンク戦では10年5月18日の9回2死二塁で馬原から左前打を放って以来3年ぶり。同戦での代打通算打点4は交流戦カード別最多。同通算安打は日本ハム戦の7本。