<楽天2-1中日>◇3日◇Kスタ宮城

 マー君、惜しかった。楽天田中将大投手(24)が、あとアウト3つで今季初完封勝利を逃した。1-0の9回、中日先頭の森野から3連打を許し同点に追いつかれた。なお無死満塁のピンチは切り抜け、この回限りで降板。延長戦に入り、自身に勝ち負けはつかなかった。チームは延長11回、嶋のサヨナラ打が飛び出し2連勝。交流戦首位を守り、リーグ2位に再浮上した。

 サヨナラ勝ちを見届けた田中は、クラブハウスに向かう通路で立ち止まった。「あとアウト3つ。なんとか重ねたかった。(9回を投げ)27個のアウトを積み重ねたとはいえ、難しさを学ばせてもらいました」と一気に話した。完封する難しさを、あらためて痛感した。

 1-0の9回だ。森野、ルナに連打され、無死二、三塁。続く和田への初球だった。嶋は高めのボールゾーンにミットを構えた。つり球要求だったが、「ストライクゾーンにいってしまった」ボールを左前に打ち返された。同点を許し、「僕のミスでした」と素直に認めた。悔いの残る1球だったが、そのまま、ずるずる行かないのも田中だ。なお無死満塁を招いたが、後続を三振、三振、一ゴロで断った。「引きずらずに、同点で食い止めることが出来たのは良かった」と納得できた部分もあった。

 自己新の開幕8連勝は目前だった。1回から走者を背負いながらも、連打は許さなかった。「手探りの状態で工夫しながら」攻め、8回を終え92球。今季初完封も見えていた。結局、連勝記録は次回に持ち越し。白黒は付かなかったが、開幕当初の不調から、だんだん上向きになっているのも事実だ。ずっと「シーズンを通じて状態を上げていけばいい」と繰り返してきた言葉どおりになった。

 当初は不調でも、なぜ、慌てずに調整できたのか。「成長と言っていいかは分かりません」としながらも、「これまでの」と、積み重ねた経験を理由に挙げた。今季は、調整メニューの内容をトレーニングコーチに自分から提案することもある。プロ6年間で培ったものが生きている。だから、この日も万全の手応えがなくても「粘れたし、しっかりと良い球も投げられた」。どんな試合でも、反省と収穫を手にするのがスタイル。8勝目は逃しても「次につながる」と言えた。次は9日の巨人戦先発が有力。強力打線相手に、真価を発揮する。【古川真弥】