<ヤクルト4-9楽天>◇6日◇神宮

 耐えて、粘って、勝った。楽天則本昂大投手(22)が、両リーグの新人単独トップとなる6勝目を挙げた。ヤクルト戦で自己ワースト8安打を浴びたが、6回3失点で先発の役割を果たした。昨年11月、三重中京大4年時に明治神宮大会に出場し、準々決勝で法大に敗れた。約7カ月ぶりの神宮のマウンドで粘り勝ち。大学時代に培った内面の成長がプロでも生きた。チームは再び交流戦首位に返り咲いた。

 起き上がり小法師のように、則本は何度も立ち上がった。4回以外、毎回安打を浴び、自己ワーストの被安打8。打たれても打たれても粘り、6回3失点で両リーグ新人単独トップ6勝目を挙げた。大物ルーキーの巨人菅野(5勝)を上回り、「新人で一番勝っているのはうれしいですけど、野手のみなさんが打ってくれているので。ツイてるだけです」と謙虚に話した。

 投球内容は褒められるものではなかった。「全然ダメでした」と言うように、コントロールが甘かった。3回、先頭の石川に四球を与えた。投手に四球という最悪のパターン。自滅でピンチを広げ、2死二、三塁から2本の適時打で2失点。6回まで117球と球数も多かった。それでも「苦しい中でも粘れたことが良かった」と、切り替えて自分の仕事を全うした。

 苦しくても、粘れたのは大学時代の苦い経験があったからだ。3年春、全日本大学野球選手権出場をかけた東海地区予選の決勝に先発したが、日大国際関係学部に2-4で敗れた。四球を乱発し敗因を招いた自分にいら立ち、試合中にマウンドを蹴った。すると、コーチや先輩に「悔しくても感情を表に出すな」と、しかられた。「僕はエース。マウンドで嫌な顔をしたら、周りに影響が出る」と気付かされた。成長をとげ、4年時に2季連続全国大会に出場した。この日も四球を出しても、適時打を打たれても、表情だけは変えなかった。

 チームではエース田中に次ぐ6勝。交流戦、そしてシーズンを乗り切るために、ルーキーの力が今後も重要だ。だからこそ星野監督も、投手への四球から失点したことに「最悪。マギーの3ランで勝ったようなもん」と厳しかった。「もうちょっと成長しないといけない」と則本。目指す新人王まで、まだまだ満足しない。【斎藤庸裕】