<ヤクルト4-10日本ハム>◇9日◇神宮
歴史を変えるまで、あと約50センチだった。2回、日本ハム大谷翔平投手(18)の第1打席。外角直球をはじき返した大飛球は、左翼フェンスを直撃し、グラウンドにはね返った。プロ初アーチはお預けとなったが「レフトに捕られるかなと思った。うまく風に乗ってくれて、助かりました」とサバサバしていた。
4回2死一、二塁の第3打席にも、安易にストライクを取りに来た初球の真っすぐをジャストミートし、左中間を深々と破って2本目の二塁打を放った。5月9日楽天戦以来、1カ月ぶりの打点。どちらも、左打者の大谷にとっては反対方向への当たりだ。自身が野手として出場し、連勝したのは初めて。「基本的には向こうに打とうと思っています。いいところで打てて良かった」と表情を緩めた。
右足首を負傷して2軍調整していた4月下旬、打撃不振で2軍落ちしていた稲葉と、2人で居残り特打をする機会があった。「よし、ホームラン競争をしよう」という稲葉の言葉で実現。ポンポン柵越えする大先輩に対し、わずか3本。だが衝撃を受けていたのは、“勝者”だった。「(競争だと言っても)引っ張らないもんね。全部中堅から逆方向。オレにはあれができない」(稲葉)。“飛ばし合い”を挑まれても信念を曲げず、中堅から逆方向を意識した打撃に取り組む姿に感心した。大谷は「逆方向に打つというのはずっとやってきました。そこが出ているうちは(調子が)いい。流していれば結果は出る」と事もなげに言った。
5番で起用された4試合ですべて複数安打をマーク。栗山監督は「入らないね~。あれ?
何で走ってるんだろうと思ったよ」と振り返り、フェンス直撃くらいでは喜ばなかった。あと50センチの差を軽々と超えるのも、時間の問題だ。【本間翼】



