<巨人3-5楽天>◇9日◇東京ドーム

 イメージ通りに放った2年ぶりの本塁打が、勝利を呼び込んだ。楽天中島俊哉外野手(33)が2回、巨人内海から先制ソロ。左キラーとしてスタメン起用に応え、先発田中を援護した。チームは巨人相手に連敗を免れ、星野楽天3年目で初めて交流戦勝ち越しが決定。球団初タイトルの交流戦優勝へ、残り4試合も勝つ!!

 狙いが的中した。2回1死走者なし。「インコース真っすぐ」を狙っていた中島は、巨人内海の初球を逃さなかった。139キロが内寄り甘めに来た。ゆったりしたテークバックで呼び込み、一気に振り抜いた。左中間席への先制弾。11年8月4日の西武戦以来、2年ぶりのアーチに「感覚を忘れていたので、入ったか分かりませんでした」と話す姿は、うれしそうだった。

 この日に懸けていた。巨人2連戦を翌日に控えた7日、神宮球場で練習を終えると、「(狭い)東京ドームはチャンス。1本はホームランを打ちたい。もう2年も打っていないので」と話した。パンチ力が売りだが、起用は基本的に左腕相手に限られる。第2戦の巨人先発が左腕内海。「インコースに投げてくれないかな」と、打ち抜くイメージをつくっていた。2日後、思い描いた通りになった。

 実は、プロ初本塁打も内海から(08年5月28日)。しかも、東京ドームで、2回の先制ソロと、状況も酷似。違うのは勝敗だった。「あの時は逆転負け。今日は将大(田中)だから、勝てるかなと」。1軍未定着だった5年前と比べ、“左キラー”となった今。その違いも成長の証明だが、打撃の下地をつくった時期は、さらにさかのぼる。

 「あんなの、初めてでした」と告白する練習があった。1年目の03年。当時のサーパス神戸(オリックス2軍)加藤英司監督に、シーズン中も連日ロングティーを課された。1箱200球を8箱の1日計1600球。「朝起きたら指が曲がったまま開かない。お湯につけて、やっと開いた」ほどだった。「あの時は何で、こんなにと思っていたけど…。若い時にやったことが大きい」と、通算2055安打の恩師の教えが血肉となっている。

 大きな当たりで勝利に貢献したが、「試合に出たら、安打でいい。1本は打ちたい」と願いは謙虚。一日一善の精神で、交流戦優勝へ貢献する。【古川真弥】