<阪神4-3ロッテ>◇9日◇甲子園

 代打浅井のコールから、試合の流れが再び変わった。勝ち越しを許した直後の6回裏2死一、三塁。阪神浅井良外野手(33)がロッテ服部の外角球をセンター右にはじき返した。「チャンスだったんでね。特に最初はね」。1点差に詰め寄る反撃の適時打は、リベンジの1本でもあった。前日の4回に右前打で出塁したが、新井良の中飛で大きく飛び出し、帰塁できずにアウト。左腕キラーの役割を果たし、走塁ミスを帳消しにした。

 西武からトレードで高山を獲得したように、右の切り札が猛虎のウイークポイントだ。そんな中で、浅井の存在感が大きくなってきた。交流戦は18打数6安打で、打率3割3分3厘。先発でもベンチスタートでも、いぶし銀の働きでチームに貢献している。

 8回裏の2打席目も、2ストライクに追い込まれながら、フルカウントまで粘った。右腕ロサの150キロを超える速球に食らいつき、ファウルにした。そこから三遊間を破る左前打を放った。「いい形で間を抜けてくれた。ストライクなら、何でもいこうと思った」。得点には結びつかなかったが、こういう粘りが次につながる。マートンの劇的アーチを呼び込む「ジャブ」のようなダメージを相手に与えた。左腕だけでなく、速球派右腕からも快音を響かせ、浅井は自らの仕事場を広げた。【田口真一郎】